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汐音は白羽の顎を掬い上げると、一瞬の隙に唇を寄せる。何か言いかけた白羽の、言葉ごと塞ぎ込むようなキスだった。
唇は柔らかくふれあい、またすぐに離れていく。
混乱と恥ずかしさが相まって、白羽は顔を真っ赤にさせながら口をパクパクさせている。

「な……何して」
「何って、キスだけど」
「そう言うことじゃなくて……人目があるかも、しれないのに」
「誰もいないよ。いたとしても真っ暗だし分からない」

まだ何か言いたげな白羽の口を、汐音がもう一度塞げば、やがて諦めたように肩をすくめた。

「白羽ちゃんがあんまり可愛いこと言うから、したくなっちゃった」

3度目のキスは、白羽の方から紡がれる。どれも軽い触れるだけなのは、離れ難くなってしまうからだと、お互いわかっていた。

「明日も、朝迎えにいくから」
「うん」
「なんなら部屋まで起こしに行ってあげよっか」
「……ん」
「帰りも、待っててあげるから」

だから、ね。と。
離れがたいこの時間を終わらせるためにも、汐音は言葉を紡ぐ。

「今日は、おやすみ」
「……うん、おやすみなさい」

汐音がゆっくりと繋いだ手を離すと、それに合わせて白羽の方からも指が解けていった。
名残惜しげにゆっくりと。

「……約束だよ?」

白羽が少し試すように上目遣いで汐音を見てくる。
それに、汐音はふわりと優しく微笑んだ。

「うん、約束」

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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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Dream,Dimention.(プロフ) - 澪さん» コメントありがとうございます。こちらこそご意見、アドバイス頂きまして、ありがとうございます。これからも精進して参りますので、よろしくお願い致します……! (2018年10月9日 16時) (レス) id: 5b0b514a82 (このIDを非表示/違反報告)
- お久しぶりです、以前よりとても読みやすくなりました 色々言って申し訳ありませんでした これからも引き続き頑張って下さい! (2018年10月9日 8時) (レス) id: 0e53a47e35 (このIDを非表示/違反報告)
Dream,Dimention.(プロフ) - 綾波美舞さん» コメントありがとうございます。返信遅れて申し訳ありません。キュンキュンして頂けたなら本望です。これからもよろしくお願いいたします……! (2018年10月6日 22時) (レス) id: 4a2eaa1624 (このIDを非表示/違反報告)
綾波美舞(プロフ) - めっちゃキュンキュンする〜〜〜//////萌えます、彼氏欲しい‥‥‥ (2018年8月22日 13時) (レス) id: ebfeae08b9 (このIDを非表示/違反報告)
- あんな長々としたコメ書いてしまい申し訳ありません、、 めちゃきゅんきゅんします、更新頑張ってください! (2018年8月18日 8時) (レス) id: e5e04b052a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:汐音 白羽 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/homepage01/  
作成日時:2018年5月21日 23時

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