従兄襲来07 ページ11
お昼を食べ、ピアノのレッスンの時間も終わり、いつの間にかお茶の時間になっていた。
サラに自室に居る事を伝え、寛いでいる。
スティーブは既に、貸してある部屋に行ったわ。
一緒に居たくないからね。
「アリス様、お菓子持ってきましたよ」
「ありがとう、シャノン。一緒にどう?」
「あー、そうしたいのは山々なんですが、姉さんが怒るんですよ。――羨ましいって」
なんか言ったけど、私には小さくて聞こえなかった。
近くにいたルーイには聞こえてたみたいで、苦笑を漏らしている。
…なんて言ったの?
「あっ、そうだ。ルーイ、アリス様とお茶したら、姉さんの所に行くように。姉さんが探してたから」
あっ、私がお茶に誘ってしまったから。
…でも、お茶の準備も万端で、ルーイも動く気はないみたい。
それを見たシャノンも咎める事はなく、お茶をしてからサラの所に行けと言っているようだ。
「はいはい。シャノン兄、母ちゃんに伝言頼んで良い?」
「なに?」
「俺がアリス様とのお茶が終わるまで、暫く待っててって」
「…お前な、俺を売る気だな?」
そう言うシャノンに対し、ルーイは素知らぬ顔をする。
あぁ、だから可愛くないってシャノンはルーイの事を言うのね。
その理由がわかった途端、クスクスと笑いが溢れてしまった。
「ちょっと、アリス様?俺的には笑えないんですけど?姉さん、俺に怒るんですよ?」
ジトーっと
「なら、私から助け船をあげるわ。サラにこう伝えて。明日、お仕事の時間を少しだけ私に割いて、お茶をしませんか?って。私、一度はサラとお茶をしたかったの。でも、いつもの忙しそうで、中々誘えなくて残念に思ってたんだけど。サラの不満も解消されるし、私もお茶が出来るから、良いよね?」
「あぁ、母ちゃんの喜んだ顔が目に浮かぶ。…母ちゃん、メイド長じゃなければアリス様とお茶が出来るのに!って言ってたくらいですから」
そっそんなに私とお茶をしたいなんて…。
サラは大人だし、もう一人のお母様みたいだと思ってたけど…。
なんだか、可愛く思えてきちゃった。
話もそこそこに、私は思った事を二人に話す。
「ねぇ、二人はお父様の事…聞いてるわよね?」
「あの噂ですね。真実らしいですけど」
そうなのだ、私のお父様は、
…でも、なんでなのかしら?
家ではとても優しい人なのに…。
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颯貴@きっちょー(プロフ) - とっても面白かったです!するする読めちゃいました笑笑 少し気になったのですが、行間がほんの少し狭いように感じたのでもう少し行間をとったほうが読みやすいのかな?と思います。個人差あると思うのであくまで参考程度にですが… (2021年12月13日 18時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 初めまして、コメントありがとうございます。“良性発作性頭位目眩症”と言うのが、作者がなっている目眩です。BPPVと検索して頂くと詳しくわかりますよ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 目眩症…? (2020年7月5日 10時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - ミントさん» 初めまして、コメント有難うございます!!全部読ませて頂きました。此処まで言って頂けるのは貴重なので助かります。これから少しずつ直していきます。読み返してみないとわからない物ですね。応援も有難うございます。これからもこの作品を宜しくお願い致します (2020年6月26日 20時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - というか主人公って正統派ヒロインポジなのでは…(笑)?
王妃様も前世の記憶持ちなのかが今は気になってます。
続きがとても気になります。応援してますね。
連投・長文コメントで申し訳ありません。 (2020年6月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2019年8月25日 20時