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ポンコツ35 ページ36

沖田Side




胸くそわりーな





自分がどれだけひどいことをしたのか沖田はわかっていた





それでも、今すぐにAに謝りに行く勇気なんてなかった






沖田は自室の前の縁側に座り、月を眺めながら中々眠れそうにない夜を過ごしていた






そんな時、足音が近づいてくるのがわかった






沖田はそれに気づかないふりをして、通り過ぎてくれるのを待った







しかし、足音の人物は沖田の後ろで足を止めた






そして、夜だからか色っぽく感じる声で沖田の名前を呼んだ






『総悟くん…その、あの、……ですね…』







うまく言葉がでてこないAは『とにかく!』っと開き直って、沖田にお盆をわたした






渡された沖田は一瞬、目を見開いて、それからお盆の上にのってるいい匂いのものが鼻の奥を刺した






沖「これは…?」





『さっき渡そびれたので…
今ならお腹、減ってるかなって思いまして…』






それを聞いたとき、沖田はなぜか安堵の息をもらした






コイツが鈍感でよかったかもなァ






『あのですね…
総悟くんのは皆さんとまた違った味のお味噌汁なので
お味噌汁だけでも良かったら食べてくれないかと……』






少し遠い気もするが、沖田の横に座り俯いて言うAはいつもよりソワソワしていて、不安がっているのがわかった






"皆さんとまた違った味"






それだけで沖田の口元は緩みそうになった







沖『悪いな…ちょうど、腹へってたんだ』






『それは…良かった!
あ、白ご飯もいります?
どうせなら取ってきますよ』





何か猫みたいな喜びかたでさァ…






俯いていた顔をあげ、食堂に向かおうとしたAの腕を引っ張って沖田はそれを制した






沖「いいから…ここにいろ」





やっと目を合わせてくれた沖田に負け、Aはすとんと横に座った






沖田はそれをみて、暖かい湯気がでている味噌汁をみつめ、箸をとり、一口飲んでみた






あったけぇな





さっきから時間は経ってしまっているのにこの暖かさ






Aが暖め直してくれたのが身に染みた






『お味は…?』






悪くない…





そう言おうとした、が、






急に舌が痛くなってきた






気のせいか? いやちげぇ 気のせいじゃねぇ






これはっ……





沖「かっっっっっら!!!?」






『えっ?』

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作者名:のだ。 | 作成日時:2018年8月22日 14時

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