View of blind【ONEPIECE】 (ページ6)

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4話ページ6

　
　
　
サンジくんはそれから、本当に毎食ご飯を作ってくれた。
ご飯を運んでくると、食べ終わるまで側にいて僕にいろんな話も聞かせてくれた。

最後の日である今日も、それは変わらなかった。

ｻﾝｼﾞ「最後のディナーはクリームシチューだ。二番煎じで悪ィな」

『僕、サンジくんのクリームシチュー好きだよ。今日もありがとう』

ｻﾝｼﾞ「どういたしまして、My prince」

サンジくんがたまにプリンスって呼んでくるようになった。
まぁ、間違ってはない。
「護ってやりたいから」って言われたときはさすがに驚いたけど。

口調に遠慮はないけど、彼の騎士道精神は僕にも適用するらしい。

ｻﾝｼﾞ「今日はなんの話が聞きたい？」

『う〜ん…サンジくんのことを知りたいな』

ｻﾝｼﾞ「……たとえば？」

『サンジくんの夢は何？やっぱり一流のコックになること？』

僕が聞くと、彼は少し視線を彷徨わせた。
答えにくかったかな、と質問を変えようとしたとき。

ｻﾝｼﾞ「笑うなよ？」

『え、うん』

ｻﾝｼﾞ「ﾌｩｰｰ……オールブルーって知ってるか？」

『オールブルー……分からない』

ｻﾝｼﾞ「東西南北、すべての海の魚が住む海のことだ。見たやつは誰もいねぇし、本当にあるのかも分からねぇけど…コックの楽園とも言える海だ。おれの夢は、オールブルーを見つけること」

…そんな海が、あるんだ。
魚なんて水槽にいるやつしか見たことない。
僕は食べる手を止めてサンジくんの話に聞き入っていた。

ｻﾝｼﾞ「アホくさいだろ。こんな嘘みたいな話」

『嘘みたいでも、信じてるんでしょ？』

ｻﾝｼﾞ「え？」

『サンジくんなら見つけられるよ。僕も見てみたいな。そんな素敵な場所があるなら。海ってきっと、広くてとっても綺麗なところなんだよね』

海すら見たことのない僕には想像もできないなぁ、なんて考えていたら、サンジくんに突然手を握られた。

ｻﾝｼﾞ「A、おれと一緒に見よう！オールブルーを探し出して、必ず迎えに来てやるから！」

サンジくんは真剣な顔でそう言った。
僕はこの城から出られないとわかっているけど、サンジくんなら、いつか連れ出してくれる気がした。

『…本当に？』

ｻﾝｼﾞ「あぁ！約束だ。絶対にお前にも海を見せてやる」

『うん…！約束だよ！』

小指を絡めて、僕たちは笑いあった。

　