View of blind【ONEPIECE】 (ページ26)

今日:1 hit、昨日:17 hit、合計:60,210 hit

23話ページ26

　
　
　
不満げな声に申し訳なくなりながら言葉を返す。

『裏切ったつもりはなかったんだよ。分かってくれないかい？』

［…僕も拗ねて悪かったよ。でも、アイツだけは絶対に許さないから。僕のAなのに］

『そうだ。そうだね。ごめんねネロ』

…“僕の”というところが少し気になるけど、今指摘すると厄介なので黙っておこう。

ｳｿｯﾌﾟ「どどどちら様？？」

［僕はAの精霊だ。名前はネロ。Aの目が見えなくなったときからずっと一緒にいるんだ］

ﾙﾌｨ「お前、ユーレイみたいだな！」

［なっ！！僕は幽霊じゃない！精霊だ！甘く見るなよ麦わら男！！］

ﾅﾐ「なんというか……子どもっぽいわね…？」

『精霊の中ではまだまだ子どもだよ。言動も行動も未熟なところはある。それでも、僕の相棒になろうと頑張っているところさ』

ルフィくんに対して自分の語彙の限りを尽くして罵倒しにかかっているが、拙すぎてもはやかわいいくらいだ。
…でもそろそろ止めようかな。

『ネロ』

［ﾋﾞｸｯ)は、はい…］

『その人は僕の船長だ。あんまりなことは言わないようにね』

［ごめんなさい…］

((あ、コイツ怒らせたらヤバイタイプだ))

『…みんな何か失礼なこと考えてない？』

「「いいえ」」

…考えてたな。

さて、これからどうしようか。

『僕はもう一度街に出てみるよ。昨日の…ニュート、だっけ。彼を探さないと』

ﾁｮｯﾊﾟｰ「で、でも！まだ安静にしてたほうがいいんじゃないのか？痣も治ってないし…」

『これは彼に加護を解いて貰わない限り消えないよ。それにネロがそばにいるから、痛みはもうないし。大丈夫』

ｻﾝｼﾞ「おれもついて行って見ておくから安心しろチョッパー」

まだ不安そうなチョッパーにサンジくんが声をかけて、なんとか許可をもらう。

ﾛﾋﾞﾝ「私も一緒に行っていいかしら。気になるわ、その精霊のこと。貴方からも話を聞きたい」

『……わかった。一緒に来るのはサンジくんとロビンさんだけだ。それ以上は駄目』

ﾙﾌｨ「なんでだ？」

『精霊っていうのは、元来人間をあまり好まない。人間の匂いも気配も嫌なんだそうだ。主以外には寄り付かないのが普通』

［お前の匂いは嫌いじゃないな］

サンジくんに向けてネロが言う。

『…とにかく。3人だけだ。行こう』

ﾛﾋﾞﾝ「ええ」

ｻﾝｼﾞ「ちゃんと船番しとけよ」

もとの僕の身体を返してもらおうか。

　