View of blind【ONEPIECE】 (ページ24)

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21話ページ24

　
　
　
「愚図が」

「こちらを見るな。気色悪い」

「その目も少しはマシになったな」

これは悪い夢だ。現実じゃない。

僕は夢を見てるんだ。

だって、自由になったじゃないか。

僕は…僕は……

［起きなよ、A］

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『っは…、あ』

意識が浮上する。
未だに息が苦しいものの、身体の痛みはない。
チョッパーが痛み止めでも打ってくれたかな？

『は、はっ、チョッパー、いるの？』

冴えない頭では上手く気配を感じ取れなくて、船医の名を呼んでは寝台の上で手を彷徨わせる。
その手は誰かに強く強く握られた。

『チョッ、パー、じゃないね』

ｻﾝｼﾞ「おれだよ」

『あ…』

ｻﾝｼﾞ「言ったよな？心配だって。なんで、なんで無理するんだ」

『無理はしてない……意地は張ったかな』

ｻﾝｼﾞ「クソマリモおろしてくる」

『ま、待って待って。ごめんなさい。僕が悪かったよ』

ｻﾝｼﾞ「……おれは頼りねェか」

『！そ、そんなこと…！』

ｻﾝｼﾞ「…じゃあ、もっとおれを、この船の奴らを頼れ。お前が苦しんでる顔なんて二度と見たくねェんだ。わかってくれるよな」

僕の手を握るサンジくんの手は震えていた。
彼にこんな悲しそうな声を出させているのが自分だと思うと、胸がすごく重くなる。

僕はもう独りじゃないんだ。
仲間を、信じなくちゃ。

『ごめんね。僕、人を頼ることに慣れてないんだ。これから慣れるように…その、頑張る、から。サンジくん、いっぱい頼らせて…？』

ｻﾝｼﾞ「プリンスのためなら、いくらでも動いてやるよ。手始めにチョッパー呼んでくるから、お前は動くなよ」

医療室から出ていく足音を聞きながら、背中にじっとりと汗をかいていることに気づいた。
…嫌な夢、見たもんな。

前を向いているはずだったのに。
自分に付けられた足枷は随分と重い。
皆の迷惑にならないようにと考えるあまり、逆に迷惑な存在になるなんてね。

ﾁｮｯﾊﾟｰ「A…？大丈夫か？」

『…うん。ごめんねチョッパー。痛み止め、ありがとう』

ﾁｮｯﾊﾟｰ「え？おれ、痛み止めは打ってないぞ？痛くないのか？」

『……なんでもないよ』

ﾁｮｯﾊﾟｰ「？？あ、そうだ！ナミが狐の飾り見つけたって言ってたぞ！」

『それはお礼を言わなくちゃね』

ナミさんと、帰ってきてくれたあの子にも、ね。

　