View of blind【ONEPIECE】 (ページ13)

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11話ページ13

　
　
　
僕たちは優勢だった。
誰も負ける可能性など眼中にないくらい。

「ｵﾗｧｧｧｧｧｧｧ！！！」

『よっ、と…』

僕は攻撃を避けることしかできないけど、そんな大声上げて近づいてきてくれると避けやすくて助かるよ。

…足手まといになると言ったのに、兄さんは一緒に来いと言って聞かなかった。
僕にも国王の降参の声を聞かせてやる、と。

ｻﾝｼﾞ「反行儀(アンチマナー)キックコース！！」

『！』

ｻﾝｼﾞ「A！怪我してねェか！？」

『うん。大丈夫』

僕が怪我しそうなときは、騎士が助けてくれるから今のところ安全だ。
…それにしても思いの外戦闘が長引いてる。
国王擁護派の国民が想像より多かった。

ｵｰｳｪﾝ「くっ…！何があっても！国民には傷をつけるな！王と親衛隊だけを狙え！！」

『狙うだけだ！殺すな！』

皆頭に血が上ってるこの状況で、的確な指示を与えなければきっと死人が出る。
僕たち兄弟の「殺さない」方針は度々騎士団内でも批判を浴びた。それでも、無駄な殺しはしないのだ。

「親衛隊を制圧しました！」

ｵｰｳｪﾝ「…！国王はどこへ逃げた！！」

『…いない、のか？』

「いいや。ここにいるさ」

自分の背後から聞こえた声にハッとして飛び退こうとする。
しかし、それは叶わなかった。

『ｯがっぁ…！』

ｵｰｳｪﾝ「A！！」

「ｯくく…お前のその顔を見るのも久しいな」

首を片手で絞め上げられる。
父さんのもう片方の手に握られた拳銃がカチリと音を立てた。
あぁ、殺される。

ｵｰｳｪﾝ「Aを離せ…！このクソ親父…！！」

「はっはっ……海賊と手を組んでおきながら英雄気取りか？オーウェン。お前はこの愚図とは違うと思っていたんだがな……それ以上近づくんじゃないぞ。コイツを死なせたくなければな」

『ぐっ…はな、せっ…！』

「お前は私の下で馬車馬のように働くのが天命なのだ。私に従え。お前はイイ駒だ」

僕は、アンタの、駒じゃない…！！

杖を握る手の力が強くなる。

…？杖……？

『……じ…………たい……』

「ん？なんだ。負けを認めたか」

　