第５話 ページ7
《ダダンside》
ドグラとマグラと酒を飲み明かしながらさっきエースが運んできた少女の事を考えていた
あのエースが女を運んでくるとはねぇ･･･
––––「･･･コイツを寝かせとけ」
–––––「エース！その子は誰だい！！」
–––––「お頭ぁ！！コイツ酷い怪我だニー！！」
あの時の出来事が脳裏に蘇る
見える所はなんとも無さそうだったが服の下には打撲や切り傷の後があった
その怪我の多さにエースも驚いていやがった
一応治療をして別の部屋で寝かせている
ﾄﾞｸﾞﾗ「お頭･･･あの子大丈夫かニー？」
「さぁねぇ･･･ダメだったとしてもアタシ等には関係ない事さ」
ﾏｸﾞﾗ「とか言うお頭も･･･少し気にかけてるんじゃないですか〜」
「うるさいよぉ！！」
酒を呷りながらたわいのない話をしていると引き戸の開く音がする
見てみるとさっきまで話題に出てた子供が立っていた
「良かった〜心配したんだニーよ？」
「元気になって良かったなぁ」
『･････』
ドグラとマグラが声を掛けるが全く聞く耳を持たない
アタシ等を睨みつけるその深紅の目には"敵意"と"怯え"の色が見えた
あの怪我といいこの目つきといい･･･何かあったのは目に見えている
「別におめぇに何かしようってわけじゃねーんだ･･･安心しな」
『･････ほんとに？』
「あぁ･･･エースがおめぇを担いできやがったから手当てした･･･それだけさ」
『････ありがとう･･･』
話を聞いて幾分か落ち着いた様だ
何があったか聞きたい所だが聴いた所でアタシが何か出来るわけじゃねぇ
『･･･ではお邪魔しました･･･』
「待ちなぁ！」
『･･･？』
出て行こうとする少女を呼び止める
「おめぇ･･･行く宛はあるのかい？」
『････ない･･･でも野宿すればなんとかなる』
「･････はぁ･･･」
『･･･ん？』
「おめぇが生きる為のショバを提供してやる！その分働きなぁ！！」
あの孤独を映した様な目のコイツを放っておけなかった
何も出来なくたってコイツが安心できる場所を作ることぐらい･･･出来るだろう
アタシもだいぶ････ガキに甘いようだねぇ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
