領事の裁き手２ ページ8
「
安吾は車を走らせ続ける。
「連中は外交筋から圧力を掛け、構成員に外交官同等の権限を賦与させました。もはや彼等は法の外の存在。法執行機関は組合を勾留すら出来ません。我々特務課も他庁との
短いブレーキ音を立てて停車した。
「太宰君、逃げて下さい、今直ぐ」
安吾の背後に自動車が見えた。
「そして伝えて下さい」
その自動車は此方に向かって来ていた。それも、速度を落とさずに。
「貴方の部下に危険が――」
金属と金属が衝突して、捻じ曲がる音が響いた。
*
Ｑちゃんとの楽しい温泉旅行(一泊二日)ももう終わり。私はまた業務に戻った。今頃太宰さんと安吾さんは組合の車に突っ込まれて大怪我を負っている事だろう。
何故判るか。それは軍警のデータベースに侵入し、鏡花ちゃんが逮捕された事を知ったからだ。タイミング的に同時期だし。
約一週間後には『緊急プラン』が発動される。
つまりＱちゃんが酷い目に遭う。
これはどうしても避けたかったが、これが無ければ探偵社とマフィアは休戦しない。
抑も、Ｑちゃんの異能はスタインベックの異能との
Ｑちゃんこそ救ってくれよ朝霧先生！！
こればっかりは私が替わる事が出来ない。私の異能は大厄災を引き起こせるようなものでは無い。
せめて、Ｑちゃんの痛みを少しでも和らげられたら――。
――一週間後
「Ｑちゃんっ」
「Aちゃん！ 今日もお出掛け出来るの？」
「うん！ ……でも午前中だけ」
私が項垂れながら云うと、Ｑちゃんは残念そうな表情をした。
「森さんから頼まれ事？」
「うん」
「それなら仕方ないや。ぼくね、森さんに――」
Ｑちゃんは鞄をこそこそと弄った。中から写真が出てきた。
「仕事が終わるまで他の人で遊んじゃ駄目って云われちゃって」
写真にはスタインベックとラヴクラフトが写っていた。探偵社に以前渡したものと同じだ。
「ぼく、他の人を詛うことに興味なんか無いのにね」
「首領も失礼だよね〜」
Ｑちゃんは「うん！」と頬を膨らませた。今のＱちゃんは異能を娯楽にしていない。周囲を無差別に詛うＱちゃんはもう居ないのだ。仕事は仕事と割り切って詛うことはあるが、楽しんでいる訳では無い。
「……ね、Ｑちゃん。クレープ、食べたくない？」
「食べたい！」
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夢秋(プロフ) - 百笑咲夜さん» お恥ずかしながらその事実を全く知りませんでした。二次創作自体グレーなものですので、今後お気をつけて楽しい創作ライフを送ってください！ (2023年1月21日 0時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
百笑咲夜 - 初コメ失礼致します。プリ小説というアプリで活動していた者です。感想じゃなくてすみません。主様の作品とほとんど同じ内容の小説をプリ小説で書いていました。すぐに小説は削除します。大変申し訳ございませんでした。 (2023年1月7日 19時) (レス) id: f1d74042d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - ユキさん» 応援ありがとうございます！ クトゥルフのSANチェックがアレですからね……そして夢主ちゃん、元々勝手に姉を名乗っています。どこかの十人兄弟の長兄のようになってますw (2021年8月19日 21時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - とても面白いです！SAN値チェックがあったの笑いました。「どけ！！！！私はQちゃんのお姉ちゃんだぞ！！！」が好きですｗｗｗ１D１０/１D１００には驚きました。ラヴ君、恐るべし・・・。頑張って下さい！最新待ってます！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 夢女子S氏さん» ありがとうございます！！ やったー！！ 頑張ります！ (2021年8月13日 2時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2021年8月7日 20時
