凶夢２ ページ3
Ｑちゃんはぐるりと振り返ると、童謡を歌い出した。
「籠のなぁかの」
Ｑちゃんの手を伝って血が滴り落ちる。
「とぉりぃは」
Ｑちゃんは外套の袖を捲る。腕には剃刀の刃が何枚も腕に刺さっている。包帯がじわじわと紅く染まる。
「いついつ」
滴り落ちた血がぴちゃぴちゃと音を立ててＱちゃんの焼死体のような異能人形に染みを作っていく。
「出遣ぁる」
人形がひとりでに口を開いて嗤う。
「後ろの正面だぁれ？」
ケタケタ嗤う人形は浮かび上がって、針金のような指で自らの頭を引き裂いた。ぶちぶちと糸がちぎれ、中の綿が弾けて飛び出す。
どろり。
敦君の目から血のような赤い液体が垂れた。
「おねえさんなんとかしなきゃ殺されちゃうよ☆」
Ｑちゃんはそう呼び掛けると、私が座った
――数刻前。
「ぼくの異能ってさ、ホラー要素が強いよね」
列車が動き出す音の中、Ｑちゃんは内緒話をする様に呟いた。
「確かにそうだね」
「でしょ？ それにぼく、悪の組織の子供戦闘員でしょ？」
「……うん？ まァ確かに
私は首を傾げながらも肯定した。
「そう云うキャラって狂ってて、他の人を玩具とか道具として見てるでしょ？」
雲行きが怪しくなる。
「あと人形を常に持ち歩いているキャラって、何か操る能力か強過ぎる力を持ってて、情緒不安定なこと多いよね」
私は待ったを掛けて訊いた。
「Ｑちゃん、最近何を観た？」
Ｑちゃんは指折り数えながら云う。某有名女児向けアニメも含まれていたが、明らかに幼い子供が観るものでは無いものも含まれていた。私は頭を抱えた。
「それでさ、何かしら演出したいんだよね。印象的なものが出来たら楽しいと思うんだ☆」
何か善い案無いかなとＱちゃんは私をキラキラした瞳で私を見詰めてきた。私は原作の描写を思い出す。
「傷を見せながら童謡を歌う……とか？ 暗めの旋律だったり、歌詞が怖かったりするの」
「そうなると、『かごめかごめ』とか？」
Ｑちゃんは「かーごめぇかっごっめっ」とボーイソプラノで歌い出す。可愛い。
「……うん、それっぽい！ 他には！？」
Ｑちゃんはずずいっと前に乗り出す。
「受信者とその周りが苦しんでいるのを見て無邪気に楽しむ感じを出すとか？」
「お〜、倫理観無さそう！ そうする！」
Ｑちゃんはそう云うと襲撃イメージが出来たのか、むふふと笑った。
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夢秋(プロフ) - 百笑咲夜さん» お恥ずかしながらその事実を全く知りませんでした。二次創作自体グレーなものですので、今後お気をつけて楽しい創作ライフを送ってください！ (2023年1月21日 0時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
百笑咲夜 - 初コメ失礼致します。プリ小説というアプリで活動していた者です。感想じゃなくてすみません。主様の作品とほとんど同じ内容の小説をプリ小説で書いていました。すぐに小説は削除します。大変申し訳ございませんでした。 (2023年1月7日 19時) (レス) id: f1d74042d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - ユキさん» 応援ありがとうございます！ クトゥルフのSANチェックがアレですからね……そして夢主ちゃん、元々勝手に姉を名乗っています。どこかの十人兄弟の長兄のようになってますw (2021年8月19日 21時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - とても面白いです！SAN値チェックがあったの笑いました。「どけ！！！！私はQちゃんのお姉ちゃんだぞ！！！」が好きですｗｗｗ１D１０/１D１００には驚きました。ラヴ君、恐るべし・・・。頑張って下さい！最新待ってます！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 夢女子S氏さん» ありがとうございます！！ やったー！！ 頑張ります！ (2021年8月13日 2時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2021年8月7日 20時
