双つの黒 ページ20
「チッ」
なんとか立ち上がろうとする中也さんを帽子ごと踏み付ける悪魔がいた。
「むぅ。流石、組合の異能者。驚異的な
「踏むな！」
ラヴクラフトはコキコキと頸を鳴らしている。
「来るぞ、如何する？」
「ふっ、如何するも何も。私の異能無効化ならあんな攻撃、小指の先で撃退」
「兄さん避けて！」
私はＱちゃんを抱えている為太宰さんの所まで駆け寄ることも出来なかった。太宰さんは触手に叩かれて数
「太宰ィ！？」
触手は中也さんへ狙いを変える。中也さんは重力を乗せた拳で触手を削り取った。
「重い……拳……」
そして相手の勢いが緩んだ隙に太宰さんに駆け寄る。私もＱちゃんを抱えた侭、太宰さんに駆け寄った。
「おい、太宰！」
「うふ……うふふふふ」
太宰さんは笑い声を漏らしながらぎこちなく起き上がる。
「気持ち悪ィな、撲ち所が悪かったか？」
太宰さんは左手で顔を抑えていた。
「ゲホッ」
太宰さんの口許には紅い血が付着していた。吐血だ。
「手前……深手じゃねぇか」
中也さんは信じられないとばかりに云う。
「あの触手……実に不思議だ。異能無効化が通じない」
「莫迦な、有り得るのか？」
尤もな疑問に、太宰さんは口を拭いながら応える。
「私の無効化に例外はないよ。可能性は一つしかない」
拭っても血が口から垂れていた。
「あれは異能じゃないんだ」
「はァ……！？」
中也さんは驚嘆の声を上げてラヴクラフトを見る。
天を仰げ 空の高くを見よ
今宵は星辰が揃う夜だ
「疲れた」
永き封印は既に無く 旧き支配者は目覚める
彼らが戻る 人よ知れ 新しき恐れを
「眠い」
主は真名を取り戻す 闇を望め
無知なる人類から取り戻して再び支配する
「腹が……減った」
星々が明るく燃え 天を焦がし
定めの時がやってくる
「仕事を済ませて……早く……帰ろう」
星辰が揃い 恐怖が世に満ちる
「愉快な冗談だなァ、オイ。異能じゃねぇならありゃ何だ？」
異形を目の当たりにして、中也さんの声は軽く震えていた。
「仕方ない、懐かしの遣り方でいこう。作戦
「はァ？ ここは『櫺子の外に雨』か『造花の嘘』だろうが」
太宰さんはまた口許を拭うと、悪戯っぽい笑みを浮かべた。ここ好き。
「中也、私の作戦立案が間違ってた事は？」
中也さんは太宰さんを暫し見詰めると舌打ちをした。
「糞……！ 人遣いの荒い奴だぜ！」
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夢秋(プロフ) - 百笑咲夜さん» お恥ずかしながらその事実を全く知りませんでした。二次創作自体グレーなものですので、今後お気をつけて楽しい創作ライフを送ってください！ (2023年1月21日 0時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
百笑咲夜 - 初コメ失礼致します。プリ小説というアプリで活動していた者です。感想じゃなくてすみません。主様の作品とほとんど同じ内容の小説をプリ小説で書いていました。すぐに小説は削除します。大変申し訳ございませんでした。 (2023年1月7日 19時) (レス) id: f1d74042d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - ユキさん» 応援ありがとうございます！ クトゥルフのSANチェックがアレですからね……そして夢主ちゃん、元々勝手に姉を名乗っています。どこかの十人兄弟の長兄のようになってますw (2021年8月19日 21時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - とても面白いです！SAN値チェックがあったの笑いました。「どけ！！！！私はQちゃんのお姉ちゃんだぞ！！！」が好きですｗｗｗ１D１０/１D１００には驚きました。ラヴ君、恐るべし・・・。頑張って下さい！最新待ってます！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 夢女子S氏さん» ありがとうございます！！ やったー！！ 頑張ります！ (2021年8月13日 2時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2021年8月7日 20時
