Tower of silence ページ12
ポートマフィア本部ロビー。
黒い袋が幾つも列をなしていた。構成員により身元の特定や遺族への連絡が速やかに行われている。
現場を監督している中也さんの元に、首領がやってきた。中也さんは帽子を胸元に置いた。
「被害総数は？」
「直轄構成員が十二、傘下組織を含めると九十近い死者が出ています」
Ｑちゃんの痛みを和らげたことによるのか、はたまた『桜桃』が在ったからか原作よりかは被害は少なかった。だが、それでも犠牲は決して少なくなかった。
皆、感情を押し殺して作業を進める。
「癪ですが……太宰の木偶が詛いを無効化してなければ、この十倍は被害が出ていたかと」
首領は目を閉じて頭を軽く振った。
「首領として、先代に面目が立たないねぇ」
その時、自動扉が空いた音がした。目をやれば、和装の女性が立っていた。首領はその女性に声を掛けながら歩み寄る。
「おや紅葉君！」
姐さんは和傘を閉じてロビーを歩く。
「太宰の奴に探偵社を追い出されましてのう。役立たずの捕虜を置いても世話代が嵩むからと、宿泊費代わりに伝達人の使い番まで押しつけられたわ」
懐から白い封筒を出し、首領に渡す。
「探偵社の社長から茶会の誘いだそうじゃ」
首領はそれを受け取ると、目を細めた。
「……成る程、そう来たか」
フランス山。
太宰さんが腰を掛けて待っていた。此方に気付くと、腰掛けから降りて迎えるようにやってきた。
「ようこそ、首領」
それに人好きのする笑顔で首領は歩む。
「四年振りだねぇ」
帰省した先で親戚に会うかのように手を振り応えた。
「私が購ってあげた
「もちろん」
太宰さんは下瞼を上げる。
「焼きました」
首領は口許を歪め、首を傾けたまま表情を固まらせた。
太宰さんの後ろから福沢社長が歩を進める。更に後ろには国木田さんが控えていた。太宰さんはスっと横に避ける。
「ポートマフィア首領、森鷗外殿」
「武装探偵社社長、福沢諭吉殿」
二人は距離を縮める。その様子を、周囲は固唾を飲んで見守っていた。
「竟にこの時が来たな」
「探偵社とポートマフィア、横浜の二大異能組織の
首領は口許に手を当て、くすりと笑った。フランス山は周囲を木々に囲まれており、密会には格好の場所だ。それに昨日の大破壊もあり、自ら外に出たがる人など横浜にはいなかったのだから、好機だった。
Tower of silence ２→←頭は間違うことがあっても
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夢秋(プロフ) - 百笑咲夜さん» お恥ずかしながらその事実を全く知りませんでした。二次創作自体グレーなものですので、今後お気をつけて楽しい創作ライフを送ってください！ (2023年1月21日 0時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
百笑咲夜 - 初コメ失礼致します。プリ小説というアプリで活動していた者です。感想じゃなくてすみません。主様の作品とほとんど同じ内容の小説をプリ小説で書いていました。すぐに小説は削除します。大変申し訳ございませんでした。 (2023年1月7日 19時) (レス) id: f1d74042d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - ユキさん» 応援ありがとうございます！ クトゥルフのSANチェックがアレですからね……そして夢主ちゃん、元々勝手に姉を名乗っています。どこかの十人兄弟の長兄のようになってますw (2021年8月19日 21時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - とても面白いです！SAN値チェックがあったの笑いました。「どけ！！！！私はQちゃんのお姉ちゃんだぞ！！！」が好きですｗｗｗ１D１０/１D１００には驚きました。ラヴ君、恐るべし・・・。頑張って下さい！最新待ってます！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 夢女子S氏さん» ありがとうございます！！ やったー！！ 頑張ります！ (2021年8月13日 2時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2021年8月7日 20時
