ひび ページ14
「この抗争はいつまで続く？」
「ミミックの兵士はともかく、指揮官の異能が厄介だね。奇襲が効かない。となると、内部の情報が必要か。心当たりはあるかい？」
織田作さんは少し間を置いて応えた。
「安吾しかいない。安吾は何年もマフィアとミミックの二重間諜生活をしていた。この前俺に話したより多くのことを知っている筈だ」
「同感です。彼は、情報管理の面では私が見た限りマフィアの誰よりも優秀でしたから」
私も原作知識がなければ特務課だと分からなかった。それだけ優秀な人だ。
「私も同意見だね」
織田作さんはそれを聞くと、
「安吾を探し出す方法はないのか？」
と聞いた。
「
太宰さんはいかにもあっさり断言した。織田作さんは一度当たり前のように「あるのか」と頷いたが、驚きまた、
「あるのか？」
と繰り返した。
「こういう状況なら、彼は向こうからある程度手を明かしてくれますよ。織田作さん達おふたりとのような関係なら尚更。だから、探す必要すらないんです。それに、真面目なようで、結構お茶目なんです」
太宰さんは少し驚いたように目を見開いたが、直ぐにいつもの笑みを浮かべた。
「お茶目……うふふ、確かにそうだね。……概ね彼女の云う通りだ。さあ着いた」
太宰さんは例の看板を指差した。
「ここか」
「他にあるかい？」
---
やはり原作通り、安吾さんはいつもの席に座っていて、太宰さんと織田作さんは安吾さんの隣の席に腰掛けた。安吾さんが尾行を撒くのに苦労したのも、原作通りだった。
「それで、どうしてここが判ったんです？」
「爆発のあった廃墟に、手巾が落ちていた。ほの中にこの店の紙ナプキンが挟んであった。丸わかりだよ。情報員っていうのは意外とアナクロな手を使うのだねえ」
太宰さんがにやりと笑った。
「彼女が安吾のこと、『お茶目』って云ってたけれど、確かにお茶目だよね」
「……何故それを本人に云うのです」
安吾さんは少し私の事をじっとりと睨むと、
「お茶目、ですか。あれが通じるのは我々三人と、せいぜいAさんだけですよ」
と云い、小さな溜息を吐いた。
「此処で飲める事はもう二度とないと思っていました。私はツイてる。そして友人二人にも、私の事をお茶目だなんて評した元同僚一人にも、そのツキをお裾分けしたい」
太宰さんの口からさらりと言葉が出た。
「ふぅん、
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ゆめのあき(プロフ) - 舞冬さん» 有難うございます！ 滅茶苦茶悩みながら書いていたところでもあるので嬉しいです！ (2021年8月16日 23時) (
レス) id: 9185832e78 (このIDを非表示/違反報告)
舞冬(プロフ) - 凄いと思いました！神作品をありがとうございます！長文失礼しました。 (2021年8月16日 16時) (レス) id: 42ce09732f (このIDを非表示/違反報告)
舞冬(プロフ) - さんこいち＋夢主のバーでの会話、人物の動き、ジイドとの戦闘を織田作と夢主と相手を変えて太宰さんを武装探偵社に入れて織田作も救済…展開を作るのがとてもお上手で本当に尊敬します！！どこもかしこも読みやすくて心情や関係の変化も分かりやすく描かれていて本当に (2021年8月16日 16時) (レス) id: 42ce09732f (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのあき(プロフ) - 瑠衣さん» ありがとうございます！ ネタはどんどん散りばめたくなります。シリアスブレイク大好き人間なのでw (2021年6月22日 0時) (レス) id: e1a96e1817 (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣 - オンデュル語…… 知っている人がいたとは。色々なネタがあってシリアスなところでも読みやすくて好きです！更新楽しみにしてます！！ (2021年6月14日 11時) (レス) id: 26b905e4a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢野秋 | 作成日時：2019年4月4日 22時
