立場が上だからだと云えど、年上に敬語で話されると何か申し訳ない気分になる ページ8
やっと、解放、された……。
私は着せ替え人形じゃないっつーの。
あの
休みをくれたことは、本当に嬉しいけど。
あ、そうそう。
休みの間は鏡花ちゃんと敦君が行ったクレープ屋さんにでも行こうかなって考えているんだ。
まだ私の指名手配書に顔写真出てないし普通に出かけても大丈夫なんだよね。準幹部だけど、あまり表立ったことして無いし。殆ど作戦立案の腕だけで準幹部までのし上がったようなもんだし。
まあ、過去に人殺しも何件かしてるけど、全部証拠隠滅してるから、マフィア以外にはバレていないんだよ。
そんな休みの間の予定を考え妄想を膨らませ乍殺風景な廊下を歩いていると、派手な音を立て黒い影にぶつかった。
鉄のような香りが鼻を突く。
「芥川君!?」
「……太宰準幹部、ゴホッ。申し訳御座いません……」
「別にぶつかったのはいいんだけど……その怪我、如何したの!?」
芥川君の躰の彼方此方に、青く痛々しい痣があった。
多分兄の仕業だろうけど。
「此れは……っ、何でもありません」
芥川君は黒く大きな瞳を泳がせた。
そして、虚空を睨んだ。自分を赦せないのか、目尻に目頭に薄らと涙を溜めた。
「嘘吐かないで! 太宰幹部殿の訓練の所為でしょ! ……ちゃんと手当しないと躯壊して仕舞うよ」
「この程度、慣れております故……」
「駄目だよ! 躰壊したら元も子も無い! 先ずは怪我の手当! 明日の訓練迄、絶対安静!」
「ですが……っ!」
芥川君は頑なだ。
こうなったら……職権乱用はしたくないんだけど仕方ない。
「【準幹部命令】だ。いいね」
選択肢なんか与えない。
君は大切な人なんだ。
「っ……はい」
「太宰幹部殿に何か云われたら、『準幹部命令の為』と云うんだよ、分かった? 安心して、報告書は書いておくから」
「承知、しました」
芥川君、いつも無理しすぎなんだから。
あの子にはもう少し周りの人を頼る事も学んでもらわないと。
いつまでも一匹狼じゃ血を吐いても報われないよ。
原作の太宰さんだって、結局は他人の支えがあったから、あの太宰さんになれた訳だし。勿論敦君や鏡花ちゃんも。
どの漫画でもどのアニメでも、人を頼る事ができる人はよく笑顔を見せているからね。
ところで私、ナチュラルに芥川君の事を『あの子』呼ばわりしてるけど、芥川君の方が年上で。実は前世でも原作開始時の芥川君は年上で……。
年上に敬語で話されると何か申し訳ない気分になるなァ……。
638人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【文スト】三者鼎立? 知ってたよ、此の野郎←【文豪ストレイドッグス】【太宰治】...
場地(妹)は超生物の生徒 II
もっと見る
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サングリア - いえのきあさん» 判りました!定期考査頑張って下さい。私も今日から考査です…(´-ω-`) (2018年11月27日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
いえのきあ(プロフ) - サングリアさん» ありがとうございます!今はテストや課題があってなかなか更新できませんが頑張ります!終わりのセラフもテスト終わったらぼちぼち買うので、お待ちくださいませ! (2018年11月26日 22時) (レス) id: 75f23159f6 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - 黒の時代…更新頑張って下さい! (2018年11月26日 16時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - 長くてすみません…(´-ω-`)出来たら2つ宜しくお願いします!更新頑張って下さい (2018年11月24日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - クルル、クローリーなどの上位吸血鬼に気に入られて心配される。吸血鬼にしようとしている。渚は四鎌童子、アシェラに出会い、話をしたことがある。四鎌童子と一緒に3年間行動した。渚はその事を覚えていない。かなり謎に包まれた渚の過去 (2018年11月24日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢秋 | 作成日時:2018年2月10日 2時