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元々いた空間が消えれば、当然彼はその場から放り投げられる。
意識を集中させて自分の仕事場へと戻った頃には、概念として世界から引き離されかけた代償として体の様々なところが赤い血に染まっていた。
Undertaleの王国直属天才博士、Gasterがコアに身を投げ、概念と化したような。それの疑似体験、に似ている。
勿論血は飾りでも何でもなく、その部分が怪我したからこそのもの。
茫然自失と仕事場に横たわっていた彼だったが、数秒遅れてやってきた激痛に身を捩ると、慌てて…先程のERASEコマンドと同じ要領で半透明のパネルのようなものを開き、回復アイテムを呼び出した。
「……久々に食べると美味いな。」
そうして呼び出したのは「体力全回復」のバタースコッチシナモンパイ。
彼に母と呼べる存在がいたかどうかは定かではない。少なくとも今はいないが…それでも暖かい家庭の味、お母さんの味だと呼ばれるその優しい味に、ずっと強張っていた表情が柔く崩れたことに、彼は気づかずにいた。
「あっ、なんか美味しそうなもの食べてるじゃん。」
「生憎お前に分ける分はない。1ピース限定だ。」
最も、黒い触手を揺らし此方に向かって笑う、壊れた夢＿＿ことShattered Dream、シャタドが来たことに気づき、彼の方を向いた頃には、すっかり疲れた「管理者Mad」の顔に戻ってしまっていた。
その事にも、本人は気づかなかった。
「管理者権限でささっともう一個呼び出せないの？」
急に現れたにも関わらず、図々しく菓子をねだるシャタドに、Madは小さく顔を顰める。そもそも彼らの関係はそれほどいいものでもない。少なくとも親しくするという意味では。
Madからしてみればシャタドは仕事の邪魔をする相手であり、同時に相談相手＿＿例えその相談で負の感情を摂取されている事、上手く扱われているということを分かっていても尚＿＿そんな間柄であった。
勿論シャタドからのMadの認識は、良い負の感情を出す存在、つまり負の供給源。
全体的に見てMadにかなりの非があるが、益もある。利用関係といったところだろうか。
それでも仕事の邪魔をされることは許容できるわけもないのだが。そんな奴に菓子を提供する義理もない。
・ (終)→←1.お人好しな狂気《MDH+版権(Shattered)》
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螺子 - 続きが気になる病に罹りました!!のんびり更新待ってます〜!! (2023年2月1日 17時) (
レス) @page19 id: ef6865ad9b (このIDを非表示/違反報告)
もふわた【きまぐれ極低浮上】(プロフ) - 星雪桜さん» コメントありがとうございます、シャタド君にはネガティブのために(大抵が度を過ぎた)悪戯をしてほしいな、と……完全なる幻覚ですが、やんちゃしていてほしいですね…！！ (2023年1月14日 13時) (レス) id: 16b00589d0 (このIDを非表示/違反報告)
星雪桜(プロフ) - そちらのお宅のShattered、ちゃんとネガティブ採取しようと動いて… ｶﾜｲｲ。(本当はそれが正しいのですが)初コメ失礼致しました。 (2023年1月14日 11時) (レス) id: 2d02a9e0d3 (このIDを非表示/違反報告)
もふわた【きまぐれ極低浮上】(プロフ) - 宇治露 歩阿さん» 思いついたら気ままに書いていこうと思います。 (2023年1月13日 8時) (レス) @page9 id: 16b00589d0 (このIDを非表示/違反報告)
宇治露 歩阿(プロフ) - 新作楽しみにしてます (2023年1月13日 0時) (レス) id: 0bb7a6f5d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふわた【きまぐれ極低浮上】 | 作成日時：2023年1月11日 19時
