change 〜Another story 8〜

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「元カレ…樹気付いてた…」
『ふふっ、バレちゃったね』

なんだか楽しそうに笑う樹…

『でもこれでもう元カレ君がAにちょっかい出す事ないね！』

それが嬉しいのね…

「ふふっ、バレたのに危機感ないの？」

『あの人リークするタイプ？』

「しないって言ってた」

『じゃあ気にしなくていいんじゃない？』

意外と呑気な樹

『よーし、A』

「ん？」

『おいで？』

両腕を広げた彼の胸に顔を埋める

ギュッといつもより少し強めに抱きしめられた体

『俺もう飲み行っていいよって言うの辞めよ…』

「大丈夫、もう行かないから」

『ふふっ、冗談だよ』

ポンポン、と私の頭を撫でてユラユラと体を揺らす

『チューしていい？』

「いーよ？」

『ん』

チュっと軽く重なった唇
私はやっぱり、この温もりが好き


それから私たちは、チェックアウトまでゆっくり過ごした

ずっとくっついたまま
残りの休みは何するのって話したり
マースいい子にしてるかなって話したり

きっと仕事が始まったらまた、ゆっくりできる時間は減る

2度目のアリーナツアーを控えたランペはまた本番が近づくにつれてどんどん忙しくなっていくから

今回のツアーから初めて全国を帯同する私は
不安とワクワクで胸がいっぱいだった


『ツアー、さ、』

「うん？」

『Aも一緒だと思ったら相当頑張れそう』


私を後ろから抱きしめて笑う樹の頭を撫でて
私もだよって伝えて

その何気ない時間が幸せだった


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