change 〜Another story 5〜

25.Itsuki side ページ25

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マリー「もしかしてさっきのが大切な人？」

手を繋いでディスコ内を歩きながら話しかけてくるマリーは、ニコニコと顔を崩さない

『あんたに関係ない…』

マリー「関係あるわよ。あの人がいたら樹は今夜私と一緒にいてくれないんでしょう？」

『いてもいなくてもあんたとは過ごさない…』


チラッとAの様子を伺う

冷たくフロアを見渡すAの目は
今まで見たことのないくらい暗く沈んでいた


ごめん…A…

今すぐ駆け寄って抱きしめたい

『俺、A以外とどうにかなるつもりないよ』

また顔が硬いとか言って、この手を繋ぐ時間が長くなるのはごめんだ。
だから、顔は笑顔のまま話を続ける

マリー「見る限り私の方がスペック高そうだけど」

見下すような笑い方にイラっとした
Aのなにを知ってんだよコイツは…

『もう喋んなよ…』

マリー「やだ、ちょ、痛い！」

痛みに顔を歪めた彼女
繋がったこの手を捻り潰してやりたい…

『あ？』

マリー「もう！そんな顔しないで…」

うっとりと俺を見上げる彼女は、頭がおかしいんだろうか

俺がキレてんのわかんねぇの？


うんざりする俺に、後ろからトントンと肩を叩いたのは健太さん

眉毛を寄せて、苦しそうに首を横に振る

今は仕事中だから我慢しろと言いたいんだ


わかってる。わかってるよ…

目の前で傷ついた愛する人を
すぐ抱きしめることができない今の立場を初めてこれほど恨めしく思った


撮影が終わったらさっさとマリーと話をつけよう

RAMPAGEもダンスも大好きで大切

だけどそれ以上に大好きで大切なのはAだから…

今は一刻も早く撮影が終わって欲しい
その気持ちしかなかったのが事実

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