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樹の隣には金髪ロングの女性がちょこんと立っていた
皆が立ち位置についた時、音楽がかかり撮影がスタートする
これは仕事。皆やってる。皆同じように手を繋いでるんだ。
それなのになぜ、こんなに胸が苦しいのか
いつも私にするように
流れるように自然に女性の手をとる樹
それを目の前にして私の中に渦巻くのは、嫉妬という醜い感情
平常心で頑張ろうって決めたんだから…
自分にどれだけ言い聞かせても飲み込めない苦さ
それなのに樹から目が離せないのは…どうして?
急にかかったカットと、監督の声
『もう1回お願いします。顔硬いよ〜』
その声にチラッと私を見た樹と目があった
気まずそうに視線を下げた樹
見られてたらやり辛いってこと?
樹と会話をしたわけじゃないからわからないけれど
荒んだ私は勝手にそう解釈して軽く俯く
見なければいいんでしょ?
そんな態度を出しながら。
俯いていても、スタートすれば自然と顔を上げてしまう
仕事なんだから見なければ仕方ない、そんな割り切り方をする私
ほんとは違う
大切な人が他の女性に向ける顔なんて、見たって苦しいだけなのに
何故か気になってしまうのは怖いもの見たさなのだろうか
手を繋いだ樹と金髪女性が、ニコニコ笑いながら階段を登り建物に入っていく様は
憎たらしいほど絵になっていた
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ぬう(プロフ) - 彩華さん» いつのまにか長編になってしまってるから読むの大変でしたよね!?最初から読んで頂けたなんて嬉しすぎます!!!頑張って樹君とイチャつきまくるので懲りずにお付き合いください(^^) (2019年7月30日 23時) (レス) id: 1bdd3ad000 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 最初から一気に読んでしまいました!!もう発狂発狂発狂です(笑)いっちゃんかっこよすぎます〜!!!これからも更新楽しみに待ってます! (2019年7月29日 16時) (レス) id: 303c26c9ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬう | 作成日時:2019年7月17日 14時