change 〜Another story 5〜

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1周15分という大きな観覧車に向かい合わせて座った

『結構遠くまで見えるね』

そこから見える景色は綺麗で、
でも樹の横顔はもっと綺麗で。

まだ昼過ぎの高い位置にある太陽に照らされて
キャップから少しはみ出した金髪の髪の毛がキラキラと光る


すっと正面を向きなおした樹とバチっと目が合う

『見過ぎ』

「気付いてた？」

『もちろん』

ふふっと笑った樹は、楽しそうで
でもほんの少し疲れて見えた

この詰め込まれたスケジュールのせい？
それとも私が遊園地を連れ回したせい？

それはわからないけれど


『Aと堂々とデートするなら海外旅行もありだね。ごめんね？日本じゃあんまりデート出来なくて…』

そう言って困った顔で笑った樹の言葉は本物だと思うから
私はそれだけで十分幸せだよ


あっという間に頂上に登ったゴンドラ

『てっぺんだけど、チューする？』

クスクス笑いながら聞いてくる彼に

「ベタだね〜笑」

『初の遊園地デートだから記念に？』

「樹たまに可愛い事言うよね」

『可愛いよりかっこいいの方が嬉しい』


ムスッとした樹は、大きな観覧車の私たちの乗るゴンドラが1番真上にたどり着いたとき

優しく私の頬を包み込み
やわらかなキスを落とした


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