Anthem 6

2. ページ2

.


「…それは難しいな…」

キョトンと首を傾げる彼

せっかく言葉をかけて頂いたのに申し訳ないけど、
翔吾が相手だと思って撮影すると
涙のコンセプトとは変わってくる気がした

撮影止めてるのに何言ってんだって話だけど
やっぱりMVはずっと残るから…
GENEのコンセプトやメンバーの想いは大事にしたい

『あ、わかった』

何かを察したのか、またニッコリと笑う彼は

『俺を好きな人に置き換えて下さい！』

そう言った。

「え…」

『好きな人に置き換えたら出来ません？1番大切な人に1番いい笑顔見せたいじゃないですか』


好きな人…


セットの向こう、モニターの周りにメンバーと共にいる玲於くんを小さく視界に捉える

「やれそうな気がする…」

『じゃあ、バシッと決めましょうか』

「お願いします」


なんでこんなにも、玲於くんの存在は大きいんだろう

私今、自分でも分かるくらいに自然に笑えてる

『めっちゃいいです、可愛い』

「ほんとですか？」

『ほんと』

撮影の合間も、自然に会話するように撮影をリードしてくれる彼

もし私のお腹に回った腕がほんとに玲於くんの腕だったら
一緒にDVDみてる相手が、ほんとに玲於くんだったら

撮影の間中、頭の中を巡るのはずっと玲於くんのことばっかりだった


.

3.Reo side→←1.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す