change 〜Another story 10〜

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樹の胸に吸い込まれたかと思ったら後頭部と腰に樹の手があって
目の前には微笑む顔があった


次の瞬間には唇が柔らかく重なってて
何度も何度も角度を変えて私を翻弄する

薄く開いた唇の間から滑るように入ってきた樹の舌が、私をさらにかき乱した

「ぁ…はぁ…」

久々の感覚にゆるゆると体の力が抜けていくのを感じた


崩れ落ちていく私を支えるように腰に回っていた手に、ギュッと力が込められて
酸素の足りなくなっていく頭で樹を感じた

『誘ってる顔してる』

「してない…」

『目、あんまあいてないよ』

「気持ちよくて…」

『ほら、やっぱり誘ってる』

「んぁ…っ…」

段々とその気にさせていく樹のキス
樹で満たされたくて、彼の首に腕を回した

『…ふふっ』

すると急にキスを止める


『先にやることあるんだよね〜』

パッと私から離れていった彼は、フンフンと鼻歌を歌っている…

なんか…Sに磨きかかってる…


「なに…」

『時間ないから早く』

「え？なに？」

樹の取り出したそれをみて、私は言葉を失った

『俺は今日出したい』

「これから…？」

『うん。あとはAが書くだけだよ』

「え、嘘…」

樹が取り出したそれは、婚姻届…
保証人の欄には力矢さんと店長の名前…

"寄り道せずに帰るんだよ"

やっぱり店長、全部知ってたんじゃん…


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