転生者は、挑戦する Lv.2【イナズマイレブン】

第080話・VSファイアードラゴン6 ページ34

試合が再開され、ファイアードラゴンのスローイングから始まるのを不動が颯爽とボールを奪う。不動だけで中盤は回っていたために、ファイアードラゴンが不動を取り囲むことは容易かった。

「味方に嫌われてても敵には人気だな！」
「俺の力を認めたということだろ」

南雲の嫌味に挑発で返す不動。南雲が「なんだと？」と顔を引きつらせると、不動は風丸にパスを出した。
だが風丸は不動のパスに追いつけず、ボールはラインを越えてしまった。


その後も、不動のパスは誰にも通らず試合が上手く運ばない。
円堂、鬼道は普段の風丸たちならば不動のパスを受けられた、と咄嗟に立ち上がる。

パスが通らないことに苛立ちを募らせる不動は、チームメイトを罵倒し始め他選手たちも不動に対し尚も不信感を持ち、フィールドにいるというのに喧嘩が始まる。


揉めているイナズマジャパンを他所に南雲、涼野にボールが渡りのファイアブリザードが炸裂する。止めきれなかった立向居だったが、木暮、栗松が身体を張ってゴールを死守することに成功した。


コーナーキックに持ち込まれたイナズマジャパン。
飛鷹が必死にボールに食らいつくが、ボールを取れずにいる。


立向居がゴールを守り、ボールは壁山から、風丸、ヒロト、そして虎丸と豪炎寺に渡りシュートチャンスを作ることに成功するが、彼らの連携必殺技は未だ完成に至らず。


観客のただの歓声が、ブーイングに聞こえる幻聴。
バラバラのイナズマジャパンに、円堂はついに━━━━━━



「監督！ 俺！ ━━━━━━━━━━━━俺は世界と戦うために自分を鍛えることばかり考えていました。そのせいで大事なことを忘れていたんですね。みんなを━━━━━━チームを見るってことを！」
「…分かったのか、円堂。自分のやるべきことが」

どうしてか、久遠の声はいつも以上に穏やかに聞こえた。

「はい！ 監督！！ 俺キャプテンなんですね、アイツらの」
「ならいってこい円堂。アイツらを、世界の舞台へ連れて行ってやれ。おまえの力でな」
「はい！！

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