転生者は、挑戦する Lv.2【イナズマイレブン】

第079話・VSファイアードラゴン5 ページ33

再び不動の前にDFが立ち塞がる。それを不動踵を返し、自陣へ戻って行き壁山に向かってボールを蹴った。パスと言えるほど生易しいボールではなく、ボールを顔面に受けた壁山は転倒、跳ね返ったボールを拾い、前から別のファイアードラゴン選手がボールを取りに来るのも、風丸にぶつけた。

不動は得意げな表情をしてフィールドを駆けていく。

ヒロトがノーマークでパスを求めても応えず韓国のゴールに1人シュートを撃つが、止められる。
不動と風丸が言い合いになるのをヒロトが仲裁する。
ベンチで不動たちの様子を見ていた鬼道、円堂も険しい表情になって行く。そこへ響木がやって来て、不動の生い立ちを話し始めた。

力を手に入れ上に上がること。それが自分を守る手段だと、思っている。
そのためにAの父、影山に取りいろうとしたが失敗に終わった。だが響木はそんな彼に、サッカープレイヤーとしての素質を感じスカウトしたのだと。

鬼道は、不動の生い立ちはどうであれ今の不動の行動を見過ごすことはできないと、否定する。それはチーム次第だと響木は伝える。


一方でフィールドからは風丸が不動にパスを回すよう大きな声を上げていた。イナズマジャパンの空気は悪くなり、連携も取れず不動はゴールを狙いシュートを放つがそれも止められてしまう。

「このままでは間違いなく日本は負ける。どうする、円堂？」

ベンチにいる全員から円堂に注がれる視線。
彼は俯きしばしの沈黙の後に「わかりません」と声を震わせ答えた。

「俺にはこの試合をどう戦ったらいいのかっ…」
「試合を見ていても応えは出ないか。今はチームを見ろ」
「…チームを？」

久遠から出たヒントは、ほぼ答えであった。だがそのヒントを正解にするのは円堂次第である。



孤立し、独りで攻める不動にパーフェクトゾーンプレスが発動される。
ただでさえ狭く、徐々に狭まってくる空間の中不動は器用にもボールをキープしていた。

ボールを弾かれ、涼野がボールを受けるがそれを風丸が渾身のスライディングタックルで窮地を脱出する。


「いい加減にしろ不動 ！パスを出せ！ みんなに合わせろ！」
「俺に命令するな！ 俺は出したい時に出す！」
「ッ━━━勝手にしろ！」

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