第302話・ケジメ ページ19
「あ、そだ。私吹雪に謝らないと」
「え、」
「…私は君がアツヤとの関係で悩んでいること、苦しんでいることを知っていた…でもそれを円堂や君の成長のためだと言い訳して見て見ぬふりをしていた…。近くで見るとの、遠目で見るのとじゃ、全然違った……今更になるけど、ごめん。本当に…ごめんなさい」
Aは姿勢を正し頭を下げた。
正式、というと変な話だが、面と向かって彼に対し謝罪することが彼女にとっての心残りのようなものだった。彼が北海道帰る前に、FFIが始まる前にキッチリとケジメを付けなければいけなかった。
「―――いいんだ」
「え？」
「もう過ぎたことだから。それに、たぶんアツヤとのことは僕が強くなるうえでは絶対に向き合わなきゃいけないことだった。前に進めたのは、キャプテンや染岡くん、Aちゃん、みんなのおかげだよ。だから謝らないで」
「でも…」
「みんながいなかったら、僕はきっと大好きなサッカーを辞めることになっていた。もっといけば―――エイリア石を頼ることだって、あったかもしれない…」
「吹雪…」
「今はもうちゃんと前を向いて、みんなと一緒に強くなれる。だから、いいんだ」
「……そっか。そっかあ…！」
吹雪はちゃんと前を向いて歩きだした。それは分かり切っていたことだ。彼はこうして自分とアツヤにケジメを付けている。それが彼の口から聞けたことが何よりもAにとっては嬉しいことだった。
◇
翌日。ついに地上最強チームは解散することになった。吹雪、立向居、綱海は飛行機、木暮、リカは新幹線で。最後はキャラバンに乗って駅や空港まで送ることに。
雷門中のグラウンドでキャラバンに乗る前に最後の別れをしていた。
「帰ったら陽花戸中のみんなによろしくな！」
「はい！ 次は来年のFFで会いましょう！」
「ああ！」
「ダーリン！ 絶対ウチのお店に来てや！ サービスするさかい！」
「ああ。その内みんなと一緒に行くよ」
「……そういう意味ちゃうねんけど」
壁山や栗松、1年生は大泣きをし、吹雪が染岡、豪炎寺と握手を交わしていた。
「一生の別れじゃないんだから、そこまで感傷的になるかな…」
「そういうAは普通だな」
「まーね！(すぐ会えるし)」
そうして地元に帰るメンバーがキャラバンに乗り、エンジンがかかったキャラバンを大きく手を振って見送った雷門イレブン。
―――こうして地上最強チームは解散した。
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活字不足卍(プロフ) - ここで衝撃の事実パート2。好きな声優さんは緑川光デス！好きなガンダムはブルーディスティニー1号機！ (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - 本当にすいすい読めてしまいました。すごく面白いし、読みやすいです。これからもがんばってください！ (2022年2月9日 20時) (レス) @page23 id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 世界編とかでもっとかっこ良くなってくるので、お願します。 (2022年2月9日 12時) (レス) id: e2ae709354 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 凄く面白かったです。世界編楽しみにしてます。もう一度誰落ちアンケートしてほしいです。みんな (2022年2月9日 12時) (レス) id: e2ae709354 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 見てます！今でも更新される度見てました！とりあえずエイリア編完結おめでとうございます！更新が私の生きる糧なので続きもどうぞよろしくお願いします。 (2022年2月8日 16時) (レス) @page22 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2022年2月4日 22時
