第120話・必然的に強くなる ページ27
その夜。Aは全員が寝静まった後一人女子のテントを抜け出し、シュートのトレーニングマシーンで烈火のごとくマシーンを破壊しつくしていた。
火炎で身体が熱くなり、雷撃で筋肉が刺激され、尋常じゃないほどに汗をかいていた。
室内の端には、持ってきていた2ℓのペットボトルが2本が空になり転がっており、タオルも汗を絞れるほどに濡れていた。
すでに夜中の2時を回り、季節関係なく夜は冷え汗をかいた彼女の身体を芯から冷やしていく。
「Aさん？」
「監督？」
自主練を終えキャラバンに行く前に空のペットボトルを捨てていると、瞳子と出会ったA。
「どうしたんです？ もう2時ですよ？」
「貴方こそ。…まさか今の今まで特訓を？」
「はい」
笑顔で答えるAに対し瞳子は悲しげな眼差しを向ける。
「…どうして」
「？」
「どうしてそこまでして、強くなろうと？」
「……」
おそらく純粋な疑問だったのだろう。『ジェネシス計画』で、ヒロトや他お日さま園出身の少年たちが利用されていることにとても心を痛めいる瞳子は、すでにイプシロンと同等かそれ以上の強さを持っていると認識しているAが何故そこまで強さにこだわるか、彼女は知りたいのだ。
「…強くなろうとしているんじゃないです」
「どういうこと？」
「私は、自分の弱点という穴を埋めていく中で必然的に強くなってしまった、というだけです。弱点という穴を埋め、新たな穴を発見してそこを埋めている。━━━だから必然的に強くなってしまう」
Aは続ける。
「限界という壁があるとしたら、それは自分で勝手に作っているだけ。その高く厚い壁を乗り越えた時、真の成長があると私は思っています」
「その壁が貴方には、多いということ？」
「いいえ、円堂たちだって数をこなせば私以上に強くなります」
Aの言葉に目を見開いた瞳子。
「この世に完璧なものなんて存在しません。…強さの上限を決めてしまったら、それ以上の成長は見込めない。この世界はゲームじゃない。限界何て壁はどこにもない」
それが答えだと彼女は言ってその場を去った。
(━━━穴を埋めていく過程で、必然的に強くなっていく……)
瞳子はAの言葉を心の中で繰り返した。
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suraimu471(プロフ) - 世界だけ。つまりFFIでは本気の主人公が見れるのだな。この時点で世界級ならほかのみんなよりも一歩分強くなりそう。 (2019年10月11日 8時) (
レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
カナト - お久です!!名前アリアからカナトに変更しました。これからは、カナトとしてよろしくお願いします。(ダイヤモンドダスト戦楽しみにしています。) (2019年10月10日 18時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - こんにちは！おかえりなさい！と言っていいですかね！？更新待ってました(*´ω｀*)これからも頑張ってください！ (2019年10月9日 19時) (レス) id: d3fece9e75 (このIDを非表示/違反報告)
水銀(プロフ) - コメ返しありがとうございます！推しが2人なだけでみんな好きなのでどんなエンディングでもハイテンションで読ませていただきます！誰とも付き合わないというのもいいですねぇ！主人公らしくてとても好きです！！ (2019年8月17日 2時) (レス) id: 78abf1c607 (このIDを非表示/違反報告)
水銀(プロフ) - ここまで一気読みしてしまいました！主人公の葛藤とても心に来ました…！続きとても楽しみです！！PS.落ちはもう決まっていらっしゃいますか？私、豪炎寺と鬼道推しでして… どちらか落ちだと良いなと勝手に思っております！是非考えてくださると嬉しいです！ (2019年8月13日 1時) (レス) id: 78abf1c607 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年8月8日 4時
