第108話・鬼道父の心境 ページ15
有人からAを呼ぶことを聞いていた鬼道の父は、彼女を歓迎した。彼女は微笑みながらも内心とても戸惑っていた。何故鬼道邸に招かれたのか、招いたのかまったく理由が理解できなかったからだ。
夕飯も一緒に食べ、その後紅茶を飲みながら鬼道父と話をしたAは、サッカー以外にも様々な教養があることを知った。時間は夜9時を回った頃。Aが帰宅しようと立ち上がった。未成年をそのまま帰すことは出来ないため鬼道父が袴田に車を出させ家まで送らせた。
「…さて、有人」
「はい」
「私に彼女を紹介したのは、何故だったのか…当ててみようか？」
「え、」
「何だ、自分でも無意識だったのか？」
「？」
車を見送った2人は、鬼道父の私室へやって来た。
「彼女の家の事情は知っている」
「はい」
家の事情。それは影山との血縁、九重家との関りのことだろう。それをどこで聞いたかは分からないが、有人は元より父親に話すつもりでいた。だがAの前では言えずにいた。
「九重家とは、私の父が知り合いだたんだ。…有人、君の婚約者の話を覚えているか」
「はい」
あくまでも以前の話しだ。有人は義理とはいえ鬼道家の跡取り息子。早いうちに婚約者を決め、若いうちに結婚をしていることは貴族の中ではある意味ステータスの一つだ。
それは今でも根付いている話で、九重家には有人と一つ違いの娘がいる。以前縁談の話があったのだが、それは影山がオススメしないことで話はまとまることはなかった。
今思えば、九重の子からAと影山の関係がバレることを恐れた所為かと思っている。もし影山の娘として彼女の瞳に曇りがあるのであれば、有人を遠ざけるつもりでもいた。
だが実際会って、話をしてみれば彼女はとても誠実で真っ直ぐ、何よりも聡明な少女だった。年相応とは思えないほどに落ち着きがあり、世間話も尽きない。話しをしていてとてもリラックスの出来る人物だった。
「私は、影山さんの話で婚約の話を破談にした。だが有人、もし君がよければ…━━━」
「お言葉ですが…」
「？」
「俺は、今はまだその話はしなくてもいいです」
「…はははっ」
「？ 父さん？」
「いや、すまない。そうだな、君はまだ中学生だ。それに私も、彼女が�猝辞瓩砲覆辰討�れるなら嬉しいよ」
「なっ…！？ 何を言って…！」
鬼道父は、ハハハッと優雅に笑っていた。
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suraimu471(プロフ) - 世界だけ。つまりFFIでは本気の主人公が見れるのだな。この時点で世界級ならほかのみんなよりも一歩分強くなりそう。 (2019年10月11日 8時) (
レス) id: 8c6c5cc2e1 (このIDを非表示/違反報告)
カナト - お久です!!名前アリアからカナトに変更しました。これからは、カナトとしてよろしくお願いします。(ダイヤモンドダスト戦楽しみにしています。) (2019年10月10日 18時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - こんにちは！おかえりなさい！と言っていいですかね！？更新待ってました(*´ω｀*)これからも頑張ってください！ (2019年10月9日 19時) (レス) id: d3fece9e75 (このIDを非表示/違反報告)
水銀(プロフ) - コメ返しありがとうございます！推しが2人なだけでみんな好きなのでどんなエンディングでもハイテンションで読ませていただきます！誰とも付き合わないというのもいいですねぇ！主人公らしくてとても好きです！！ (2019年8月17日 2時) (レス) id: 78abf1c607 (このIDを非表示/違反報告)
水銀(プロフ) - ここまで一気読みしてしまいました！主人公の葛藤とても心に来ました…！続きとても楽しみです！！PS.落ちはもう決まっていらっしゃいますか？私、豪炎寺と鬼道推しでして… どちらか落ちだと良いなと勝手に思っております！是非考えてくださると嬉しいです！ (2019年8月13日 1時) (レス) id: 78abf1c607 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年8月8日 4時
