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第139話・気づかないとでも? ページ4

Aはイタリアエリア行のバスに乗り込んだ。
そこには勿論、不動がいた。

「やあ」
「! なんで…」
「私が気づかないとでも思ってるの?」

不動はバツが悪そうに舌打ちをした。

「むしろなんで気づくんだよ」
「……親子の絆? だよ」
「ふざけてんのか?」

首を傾げながら、からかうような表情をするAに不動は呆れたような顔をする。

「どうかな」
「?」
「…私はただ、あの人が世界大会に来るのを知っていただけ…
 九重Aはここで、あの人に存在を認めさせなきゃいけないの」

Aがサッカーをする理由━━━━━━
それは影山に自分の存在を認識させるためであることを不動は知っている。
世界大会という大きな催しものの中、影山零治の娘、ひいては影山東吾の孫が
世界にその名を轟かせることになれば、確かに認めざる負えないだろう。


「不動、A!」
「どうしてここに?!」
「誰かと思えば、おまえらか」

鬼道と佐久間がバスに乗ってきた。

「…Aをどうするつもりだ」
「あぁ?」
「影山の元へ連れて行く気か?」

鬼道にそう問われニヤっと口角を上げ不敵に笑う不動は答えない。

「ねえ鬼道、どうするつもりってなんのこと?」
「! いや…」

Aの問いかけを濁す鬼道は、彼女にバスを降りるよう促す。

「A今から降りるんだ」

鬼道の意図をすぐに察したA。すっと表情が冷める。

「…力づくで…降ろせば?」

男子中学生と女子中学生の力の差は年齢に従ってより顕著に表れる。
だがAは優れたプレイヤー。
体重さのせいでショルダーチャージを喰らえば押し負けることもあるが、
彼女を力づくでどうこう出来ないのは鬼道も理解していた。


考えるまでもなく、このバスにいることがすでに「証拠」になっている。

「知っているのか…」
「……」

彼女は答えず、代わりに笑みを反してきた。

『ドアが閉まります。ご注意ください』

バスのアナウンスが流れプシューと息が抜ける音と共にバスの扉が閉まった。
だが完全に締まり切る前に円堂が飛び乗って来たのだ。

「円堂…」

肩で息をし、汗をぬぐう円堂。

第140話・イタリアエリア→←第138話・影山の来歴3



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設定タグ:イナズマイレブン , 女主人公 , FFI   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 一番最初から全部読みました。最高です。しかもまだまだ続く…!やっと追いついたので本日の一言も始めてみましたがとても面白かったです。これからも更新頑張ってください!✨ (2022年9月22日 9時) (レス) @page38 id: 84ae00d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 本日の一言が好きすぎる (2022年9月14日 23時) (レス) @page23 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:活字不足卍 | 作成日時:2022年9月11日 16時

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