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第161話・なんだ、ただのツンデレか ページ26

「…え」
「情けなくなんかない。Aは充分にすごい奴だ。
 確かにさ、Aは大人っぽくて、頭の回転が速いから
 色々考え事や悩み事が多いのかもしれないけど、個人技が活かされる場面ってよくあるだろ?
 それに俺たちは人間。間違えることは当たり前だ。
 だから……そんなことで、死にたいなんて、言わないでくれよ……」

円堂が最も傷ついているのは、彼女がただ私情でサッカーをしたことでも
影山がサッカーを利用して復讐をしようとしていることではない。
Aが泣いて「死んでしまいたい」なんて言わせてしまったことだ。

「俺はAとサッカーがしたい。Aはどうだ?」
「あ…ぁ、わたし……わたしは…」
「俺もAとマモルとサッカーが出来て嬉しい!」
「! フィディオ…」

すると鬼道が「俺も、Aとサッカーをプレイできるのが嬉しい」と言い出し、
同じように佐久間も「俺もだ」と伝えた。

「……まぁいいんじゃねぇの」

不動は1mほど離れた場所から、腕を組みながらも言う。



「あ、あぁ……っく…ぅううぅ………だああああああ! 恥ずかしい奴らだなぁもう!!
 バカみたいじゃん! こんなことで悩んでいるのが! あーーーーもうバカバカしい!!
 早く自分のポジションに着いたら!? ばーかばーか!」
「な、なんで怒ってんだ?」
「フンッ、君たちには一生分かんないよ! ずっと純粋なままでいやがれ、ばーか!」

円堂たちは戸惑いながら顔を見合わせる。

突然キレたAだが、言っていることのすべては本音であった。
そんなこと言われてしまっては、悩んでいることも、一刻の感情に流されることも、
間違いはなく、自身の感じていた情けなさすらちっぽけになってしまうほど、純粋な感情を向けられてしまっては毒気も抜かれて当然のことである。

「(ほんと、ばかみたい。今ここで決着なんてつけられない。
 私は、こんな私を見て欲しいんじゃない)……ありがと…」


背を向け耳まで真っ赤にして自身のポジションへ向かう彼女に対し、
その場にいた男子はどうしてか、口角が上がりそうなのを必死に耐えた。
そうでもしないと、彼女の言葉に対しニマニマにしてしまいそうだからだ。

自身の耳が熱く、自分でも分かるくらい赤いことを自覚している
彼女は髪の毛を縛っていることを激しく後悔した。

第162話・拒絶反応→←第160話・私がサッカーをする理由



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設定タグ:イナズマイレブン , 女主人公 , FFI   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 一番最初から全部読みました。最高です。しかもまだまだ続く…!やっと追いついたので本日の一言も始めてみましたがとても面白かったです。これからも更新頑張ってください!✨ (2022年9月22日 9時) (レス) @page38 id: 84ae00d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 本日の一言が好きすぎる (2022年9月14日 23時) (レス) @page23 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:活字不足卍 | 作成日時:2022年9月11日 16時

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