転生者は、挑戦する Lv.3【イナズマイレブン】

第135話・ムカつく。 ページ47

その日の練習では、鬼道、不動、佐久間の三人が集中できている様子ではなく、
確実に何かあったことがわかった。

「…集中できてないみたいだけど、何かあった？」
「いや、なんでもない。Aは気にするな」

妙に引っかかる言い方をする鬼道。
「……ふ〜ん…」

Aが疑う視線を送ると鬼道はすっと視線をそらした。

━━━━━━私は、って…私は部外者かなにかなの？ ムカつく。

無論、Aは何故鬼道たちの様子がおかしいのか知っている。
この眼では見ていないが、
すでにあの人は…影山零治はすでにライオコット島に入島しているのだろう。


(…確かに鬼道は、私よりあの人といた時間は長かった…でも……
　九重Aは、あの人の娘なんだ)



鬼道、佐久間、不動！」

久遠に呼ばれた鬼道たち、彼の前まで行くと

「お前たちは練習に集中できていない。グラウンドから出ろ」

と指示された。
本人たちもそれを分かっていたのだろう、
久遠の言葉に従いグラウンドから出て、外からみんなの練習風景を見ていた。

(これ以上影山のことを放っておくわけにはいかない。
　本当にアレが影山なのか、確認しなければ大会に集中できない。
　目の前にいないにも関わらず、俺にここまで影響を及ぼす。
　…俺はあの人からの『呪縛』からまだ抜け出せないでいるのか…？)

心で自問する鬼道。
するとひと段落ついたのか、春奈がベンチに近づいて来た。

「あれ、不動さんは？ さっきここにいましたよね？」

と言われ鬼道はグラウンドに視線を向ける。
だがそこには不動の姿はなく、まさか影山元へ？ と考えた鬼道は、グラウンドから駆け出した。

「鬼道！！」

佐久間が鬼道を止めるが、彼の声は届いていないのだろう。
階段を駆け上がって行った鬼道。

そんな彼を心配してか佐久間も追いかけて行ってしまう。

「…監督」
「……」

Aに声を掛けられた久遠。一瞬視線をAに向けるが、何も言わない。

「すみません」

謝罪してから、鬼道、佐久間を追いAはグラウンドから出て行った━━━━━━

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