閑話・地・炎・氷 ページ32
某日、レーゼはとある人物たちに呼び出されていた。膝間づいていると、スポットライトが頭上から当たり、その上には白、青、赤のスポットライトが三つの柱をそれぞ照らした。柱の上には別々のユニフォームを着た少年たちがレーゼを見下ろし、レーゼの背後には黒いユニフォームを着た少年も控えていた。
「どうだレーゼ、九重Aは」
赤い少年がレーゼに問う。彼は何やらワクワクしているようにも見える。
「破。想像よりは強くなかったという印象です」
「可笑しいね。彼女の実力は、私たちと同じほどだと聞いているが」
青い少年が首を傾げる。
「本気を出してねーってことか？」
「おそらくは」
「…どう思う、レーゼ」
白い少年は再びレーゼに問う。
「どう、というのは…」
「彼女だよ。どういう女の子なんだい？」
「報告通りに仲間想いなのだろうと、思います」
前回の試合で「ウチの可愛い子」と雷門の選手を言ったことを覚えていたレーゼは、以前から報告に遭ったように彼女が仲間想いで特に雷門イレブンを可愛がっていることを白い少年に伝えた。
「ふーん、仲間想い…ねぇ…」
「そんなことより『メギドフレイム』は見れたか？」
「いいえ、以前から使っているブラフマーストラだけ確認しました」
「チッ、なんだよ。もったいぶりやがって」
赤い少年は目を細め眉間に皺を寄せる。
「エージェントたちが言っていたように本当に彼女には、それほどの力があるのか？」
「間違いない。調査ではそう伝えられている」
「スカウトはしたんだろ？ ならなんでこっちに来ないんだよ」
一人孤高に強さを持っている彼女は、力を持て余しているだろうと。であれば同じレベルの者と一緒にいるのが当然だと考えている彼らは彼女がこちら側へ来ないことが理解できなかった。
力をひけらかしたいわけでもなく、純粋にただ強いだけでそこにある彼女の存在は異質だ。
「ゆっくりでいいんじゃないかな？ ガゼルはどうなんだい？」
「私は別段興味はない。ただプレイには惹かれるな、鮮やかだ」
興味はないといった矢先のこれだ。緩やかでありながら正確で丁寧なプレイはまさに舞日女と呼称されるものだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
活字不足卍(プロフ) - 実は何度か主人公のデフォルトネームを変えようとしたことがある (2022年6月9日 1時) (
レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
SERARU(プロフ) - コメントさせて貰います♪最初から読んでいて、凄く面白いです！いつも楽しみにしています！私も真・帝国学園が楽しみなんですよね♪待ち遠しいですwww (2019年7月29日 5時) (レス) id: 3e7ed852f8 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - また、すみません！第033話はないのですか？ 前のコメの返事ありがとうございます！ (2019年7月27日 19時) (レス) id: d3fece9e75 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - こんにちは！第032話にある｢隣では塔子が付かれたのだろう｣の付かれたのだろうは、疲れたのだろうではないでしょうか？ (2019年7月27日 19時) (レス) id: d3fece9e75 (このIDを非表示/違反報告)
レンサ(プロフ) - コメント失礼します｡35話の高根じゃなくて高嶺ではありませんか? (2019年7月27日 18時) (レス) id: 6d7ff987c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：活字不足卍 | 作成日時：2019年7月24日 15時
