転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ35)

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第174話・恵まれた少年ページ35

武方三兄弟は語り出した。昨年の木戸川清修は、彼のおかげで決勝まで進んだ。彼の実力は本物で控えにいた自分たちには出る幕はなく、それが現実だと思い豪炎寺にFF優勝という夢を彼に託した。

「貴方がいれば絶対に優勝できると信じてた！でも…でも貴方は！！」
「「決勝に姿を現さなかった！」」
「待ってくれ！豪炎寺はっ…」
「お前は俺たちの夢を裏切った！」
「英雄だと思ってたのに、決勝戦のプレッシャーにビビッて逃げ出した、卑怯者だったんだ！」

「ほお…聞き捨てならないな」
「！ A…？」
「お、おい…A！」

　前に立っていた円堂を退かし顎を引き武方三兄弟を睨むように目を細めるA。

「勝手に夢を託して、勝手に英雄扱いして…自分たちの力で何もしなかったのに、よくもまあ言えたものだ…。豪炎寺が練習もせずになんでもそつなく熟す天才に見えるか？」
「な、なんだよ！引っ込んでろよ！女には関係ない！みたいなァ！」
「豪炎寺は、確かに天才的な才能を発揮する。けど瞬発力やパワーが優れているのは体系に恵まれているからだ。彼はそれを更に磨き上げている。だから努力もしない腑抜けだと、臆病者だと…逃げた卑怯者だとも言わせない！！言わせて堪るか！」
「A…もういい…」
「……」
「けど、豪炎寺！」
「もう済んだことだ。事実は変わらない」

　Aの肩を掴み首を横に振る豪炎寺。円堂も食い下がるが、豪炎寺のその表情を見て黙った。
　すると武方三兄弟は持っていた鞄からボールを出し、今の豪炎寺の実力を偵察すると言い出した。

「悪いが、その気はない」
「おやぁ？また逃げるつもりですか？やっぱりお前は……臆病者の卑怯者だー！」

　そうして去ろうとする豪炎寺に向かい勝が豪炎寺に向かいボール蹴った。その寸前円堂が庇いボールを弾いた。

「クッソォ…もう我慢できない！お前らの偵察とやら、俺が豪炎寺の代わりに受けて立ってやる！！」
「円堂？！」
「何言ってるの？」
「超意味分かんないんだけどー、みたいなァ」

　挑発に挑発で返すように収拾がつかなくなり始めた。