転生者は、苦悩する Lv.4【イナズマイレブン】 (ページ31)

今日:6 hit、昨日:31 hit、合計:129,731 hit

第170話・豪炎寺の様子ページ31

翌日、木戸川清修が準決勝の相手となると豪炎寺の気持ちも組み複雑な心境だ。

「よりによって木戸川清修と準決勝とはな」
「もし俺が転校して違うチームに入ったとして、雷門中と戦うときがあったとしたら…やっぱり嫌だなぁ」
「どこが相手だろうと関係ない。サッカーはサッカーだ」

　そう言いながらも豪炎寺の声にはいつもの覇気がないように感じた。
　一之瀬も加わった練習。ダイレクトプレーの練習をするようだ。鬼道から一之瀬、一之瀬から染岡にパスが回り、染岡がシュートをする。円堂が弾こうとするがシュートはゴールに入った。
　練習から休憩に入ると、夏未とAが制服のままやって来た。

「A、今までどこにいたんだよ」
「その報告だよ」

　夏未と顔を合わせたA。話の内容は今日行われたAブロックの準決勝の結果だった。Aは以前から偵察も兼ねて試合を直接見に行っていた。

「決勝進出は世宇子」
「世宇子中か」
「やはり来たか」
「鬼道、決勝ではもう一度世宇子中と戦うんだろ？準決勝は絶対に負けられないぞ！」
「ああ、もちろんだ！」
「よーしっ、みんな！頑張ろうぜ！」

　円堂が気合を入れ全員が同調し「おおっ！」と掛け声が上がる。
　練習後、円堂、鬼道、豪炎寺、Aが公園で作戦会議をする。

「円堂は守備の確認を徹底してくれ。相手はオフェンス重視で攻めてくるはずだ」
「おう！ディフェンスは忙しくなりそうだな。燃えてきたぜ！」
「こちらの攻撃はカウンター主体になるだろうな…豪炎寺、攻守の切り替えのタイミングに注意してくれ」
「…ああ……」

　いつものハキハキとした豪炎寺はどこか身を潜めていた。腕を組み背を丸めている豪炎寺はとても小さく見えた。今朝は「サッカーはサッカーだ」と言っていたが、やはり木戸川清修には思うところがあるようだ。
　豪炎寺の様子が明らかにおかしいのを感じた円堂は、会議は一旦終了しAらを連れやって来たのは――

「ここだよ」
「駄菓子屋？」
「何だよ、来たことないのか？」

　円堂にそう聞かれると鬼道と豪炎寺は「ああ」と肯定する。育ちの良い2人にとって駄菓子屋とは存在は知っていても未知の領域のようだ。