第168話・トライペガサス ページ29
翌日。一之瀬は今日の午後の飛行機でアメリカに帰ることになっている。彼はそれまでに円堂と土門と共にトライペガサスを完成させたいと、朝からこうして円堂たちと練習をしている。――だが、あと少しのところで上手くいかないようだ。
失敗すること早数時間。秋が自分が目印になり3人が上手く交差できるようにすると、志願した。壁山が危ないから辞めろ、と言うが秋は「信じている」と言って聞く耳を持たない。その様子に円堂が「頼むぞ、木野」と彼女の願いを受け入れた。
「キャプテン! ポイントの前に立つってことは、失敗したらマネージャーは…!」
「だから成功させるんだ! 木野は俺たちの成功を信じてくれてる。だろ? 信じる心には…――」
「行動で答える、だね」
「え、」
「たーく、あの時と同じだな」
アメリカにいた頃、一之瀬たちがトライペガサスを完成さられたのは彼女が目印になり完成したのだと。彼女の信じる心に、行動で答えると。
チャンスはこの一度切――。
一之瀬の合図で3人が一斉に走り出し、秋を目印に一点に交差した。そして青白い光を帯びた天馬が空高く羽ばたき、3人が同時にシュートを放ち。トライペガサスは真っ直ぐゴールに向かいゴールネットを揺らした。
「「やったぁぁ!」」
四人は抱き合い喜びを身体で表現した。
「出来た! 出来たよ、一之瀬!」
「ああ! やったな円堂! ありがとう土門!」
「エヘッ、どうよっ…!」
「うん! みんな素敵よ!」
四人が抱き合っていると近くにいた一年生組が四人に同じように抱き着いていた。
秋のことが心配でもしも失敗した時に備えていたという。無論、彼らだけじゃない。Aたちももしも、のことがあればと備えていた。
「秋、このチームは最高だよ!」
「うんっ!」
「円堂! 君たちに会えて、本当によかったよ!」
「…一之瀬…!」
そして笑顔を浮かべ、新たなサッカーでの出会いをもたらしてくれた少年はアメリカへと帰って行った。
136人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
活字不足卍(プロフ) - 工エエェェ(´д`)ェェエエ工 (2022年6月9日 1時) (レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:活字不足卍 | 作成日時:2019年7月11日 2時