第194話・エージェント ページ6
その日の放課後、決勝戦を前にAは母親のお墓の前にいた。
「…おかあさん…、私ちゃんとあの子たちを見守れているかな…」
円堂の無茶はアニメで見るより相当のもののように感じた。木戸川戦でのこと気にして、悪夢を見るほど追い詰められている。だが精神的には安定している様子。ケアはする必要はないと考えている。問題は―――
「…アフロディの登場次第か…」
小さく呟き、お墓を後にするA。
しばらく歩き人につけられている気配を感じ、振り返ると坊主頭に緑色の顔色の悪い「キラーエージェント」の男2人が立っていた。
「…どちら様ですか?」
あからさまに自分が足を止めると、足を止めこちらをじっと見て来た男たちを人睨みし用件を聞いた。
「…九重Aですね」
「違うと言ったら?」
「それはあり得ません」
「確信があるのであれば聞かないで。余計な話はなしにしましょう。用件だけ端的に」
「では。我々はエイリア学園の者です。影山零治の娘だと聞いています。そして―――サッカーも相当に強いとか」
前世からこの「キラーエージェント」と呼ばれる男たちは好き好まないAは、眉をへの字にして少しの間があってから「そうね」と言った。
「我々と一緒にエイリア学園に来てくれませんかね?」
「嫌だと言ったら」
「そうですね。貴方の大切なものを、壊して見せましょう」
「大切なもの?」
Aにとって「大切なもの」の定義は色々あった。だがこれといって頭に浮かばない。祖父母は大切だし、もし母の墓のことを言っているのであれば1人でジェネシスを潰すことをする。
「仲間との、絆…ですよ」
ニヤリッと笑った目の前の男たちに不快に思いながらもAはその言葉を聞いて鼻で笑った。
「フッ…」
「何が可笑しい?」
「アハハッ…バッカバカしい。私がそんな脅しに屈するとでも? そんなに柔い絆だと思われているなんて―――」
左目を隠すように前髪を片手でかき上げたAの青い瞳はギラギラと静かに怒りの炎が見え、エージェントたちは背筋が凍った。冷や汗を掻き、数歩後ずさる。
「心外だなぁ…」
Aは口角を上げて―――笑った。
以来エージェントからの接触はない。Aは祖父母も普通に家に帰って来る。変な人物に出くわさなかったかと聞いても「大丈夫」と答える。
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活字不足卍(プロフ) - ワタシコトシ24サイ(嘘) (2022年6月9日 1時) (レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - おー!!楽しみにしているぞい!!そして下ネタ突っ込んで来るな〜 (2019年7月25日 18時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 作者さん、ボロくそ分かるぞそれ。確かに照美様は顔は美しいのに無印でゴッドノウズ撃つ時とても男らしいよな!!そして毎回私も叫んでいる!!←そしてそれについて姉さんや先輩と語りあっている← (2019年7月24日 8時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
歌音 - とても面白いです。続き楽しみにしています! (2019年7月21日 15時) (レス) id: 60755d8909 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - はじめまして!毎日楽しく読ませてもらってます。私こういう小説大好きでしてこれからも更新頑張って下さい!(*´ω`*) (2019年7月20日 9時) (レス) id: d3fece9e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:活字不足卍 | 作成日時:2019年7月19日 1時