転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ43)

今日:15 hit、昨日:62 hit、合計:266,290 hit

第039話・染岡の焦りページ43

「高熱を出す？」
「尾刈斗中の中に風邪でも惹いている奴がいたんじゃないか？」

　風丸とマックスが首を傾げる中、円堂が面白半分でそんなことを言うと
秋に「真面目に！」と怒られる。
いやー正妻正妻。雷門サッカー部の正妻やわー

「尾刈斗中が試合に負けそうになると、すごい風が吹き出して結局中止になっちゃうとか。
　尾刈斗中のゴールにシュートを撃とうとすると足が動かなくなるとか…！」

尾刈斗中のウワサを聞いて想像したのだろう
壁山が突如震え出して円堂に断りを入れてからトイレへ向かった。

「…呪いか…」

影野の低い低い声が風丸、マックス、目金の耳に届き背筋を撫でた。
ただのウワサに怯え始める雷門イレブン。
円堂はウワサだと鼻で笑うが、一年生たちは不安そうな顔して再び豪炎寺の名前を出し、
近くにいた染岡が怒鳴る。

「あのぉやっぱり豪炎寺さん…」
「そうでヤンスね！」
「なんだお前ら！豪炎寺なんかに頼らなくても、俺がシュート決めてやる！
　FWならここにいるぜ！」

強く意気込む染岡に半田も同意。マックスも今いるメンバーでやるのもいい、と言う。
二年生メンバーは豪炎寺なしでもやろうと言うが、一年生はどうも違うらしい。

「でもキャプテン、もしあの時豪炎寺さんが来てくれなかったら
　俺たち廃部だったんですよ！ Aさんもいるし……なあ…？」
「負けられない試合だってキャプテンも言ってたじゃないですかぁ…
　尾刈斗中なんか怖そうだし…やっぱり……」

不安を拭えない一年生は豪炎寺と帝国からボールを奪った私を頼りにしている。

「まあこの子らの不安や心配も、分かるちゃあ分かるけどね」
「Aまで豪炎寺を頼ろうっていうのか！」
「まさか…」

肩をすくめて笑う。
一年生はまだ小学校上がりたて。
体格は精神年齢はおそらく、現実世界とは違うだろうけど、
目の前でスーパーストライカーと呼ばれる彼の実力を目の当りにしたら、
そりゃあ頼りにもしたくなるだろから、分からないでもない。と言ったんだが

「みんな人に頼ってたら強くなんてなれないぞ！」
「そうだ！」
「さあ、練習だ！」

円堂の号令で練習は再開された。
だが、やはりどこか全員噛み合っておらず、
染岡の焦っている様子はもやは滑稽にも思えてしまった。