転生者は、苦悩する Lv.1【イナズマイレブン】 (ページ30)

今日:12 hit、昨日:47 hit、合計:266,105 hit

第028話・デスゾーンページ30

エンドが交代し間もなく後半戦がスタートしようとしている。

「さあ後半戦のスタートです！少林と九重が交代し圧倒的な帝国リードの前に九重が起死回生の一手になるのか！」

　後半開始のホイッスルが鳴り佐久間のキックオフから、寺門へ。ボールは鬼道へと渡る。

「行くぞ……デスゾーン開始」

　その言葉と当時に、佐久間、寺門、洞面が一気に雷門陣内へと上がっていく。

「そして奴を…引きずり出せ！！」

　高く上がったボールに合わせ、寺門、洞面、佐久間がジャンプした。そしてボールを中心に回転する。

「"デスゾーン"！！」

　禍々しい黒いオーラを纏うボールが円堂の守るゴールへと飛んでいく。

「ッ――！！」

　デスゾーンを真正面から受けた円堂は前半同様ボールごとゴールに入れられた。その光景を見せられ凍り付く雷門イレブン。

「続けろ。奴をあぶりだすまで…！」

　鬼道の指示で帝国イレブンが必殺技を使い始めた。

「"サイクロン"！」
「ぐぁあああっ！」

　万丈が半田にサイクロンを。

「"百烈ショット"！」

　そこから帝国イレブンの攻撃は、ゴールを狙うことではなく選手たちへと集中していく。
　染岡、栗松、影野が倒され。帝国は更に4点を入れ、点差は14点へと開く。
　風丸、壁山も倒され4点入れられる。点差は18点。すでにフィールドで立っているのは円堂と私だけだ。――帝国イレブンからの笑いが立ち込め始めた。

「…出て来いよ。出て来い」

　鬼道が声を段々と大きくして「誰か」に対して挑発する。

「さもなきゃ…あのキーパーを、アイツを！」
「叩きのめす！！――？！」

　帝国ストライカー、寺門がボールを円堂に向けて撃った。だがそのボールは円堂に届くことはなかった。何故ならば――

「なにッ！？」
「バカな！」

「A！」

　鬼道、寺門、円堂が驚いている隙に、私が軽くトラップして止めたから、ね。

「な、ななななんとっ！帝国のエースストライカー寺門のシュートを軽くトラップし止めたのは…雷門唯一の女子選手！九重 Aだぁあ！！」
「…ホゥー…」

「…円堂」
「！」
「任されたからには、私はやるよ」

　寺門のシュートを取った私は、ボサッとしている帝国イレブンの陣内に素早くドリブルで持ち込む。

「…面白い」

　鬼道はニヤリと笑う。