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st黒
朝から腹部に違和感があった。と言うのも、突き刺す様な腹の痛みで目が覚めたから。
昨日変なもの食べたっけ?と考えてみたが、思い当たるものはない。朝はヨーグルト、昼は撮影所のケータリング。夜は久しぶりにオムライスを作って食べた。
原因が分からないと怖いな、なんて思いながらも雑誌の撮影のため集合時間に合わせて家を出た。
楽屋に着いても腹の違和感は拭えない。中に入ると京本がいたが、腹痛を誤魔化したくて机に台本を広げた。
集中出来るはずもなく、ただ時間だけが過ぎて行き、みんなが次々に楽屋に入ってきた。
全員が揃ったと同時に痛みのピークが押し寄せ、トイレに行くために重い腰を上げた。樹が異変に気付き声をかけてくれたが、それよりも早くトイレに行って楽になりたい。
返事もそこそこに楽屋を後にして1番近くのトイレの個室に駆け込んだ。
「うゔっ…ぃったぁ。」
お腹を抱え込んで便座に腰を下ろしたが、痛みが止むことはなかった。
ふとコンコンとドアのノック音が聞こえた。他の個室が空いているはずなのにわざわざノックをするなんて。もしかして心配したメンバーが来てくれた?なんて淡い思いを馳せていると。
コンココン、コンココン
指で軽快にノックする音が聞こてきた。悪いが、今はそんな悪ノリに便乗する元気がない。「やめてよ。」と言おうとした瞬間。
ドンドンドンッ!!!
ドンドンドンッ!!!
今度は手のひらでドアを叩きつけるような音に変わった。
「ひっ…。」
「やめてよ。」という言葉は喉の奥で詰まり、代わりに情けない声が出た。
「フフッ。僕が入れた水、飲んでくれたんだね。」
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作者名:あんこ | 作成日時:2022年8月7日 19時