背伸びはいらない。 (ページ10)

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「何で俺の名前.........」

またびっくりした目で見てくる浮所くん。

『スリッパ。お金貸してあげるから何がいいの？』

「ドトールがいいです」

『ドトールね』

ドトールか。
センスいいじゃん。
私は躊躇いもなくお金を入れてドトールを押し、自販機から取り出す。

『はい。浮所くん』

「ありがとうございます。あの、先輩クラスと名前教えて貰っていいですか？」

むっ向こうから聞いてくれた！！！
や、でも常識っちゃそうか。
私、結構知名度あるけどやはり入学したてなら知らないか。

『2年2組の佐竹A。よろしくね。浮所くんの下の名前とクラス教えて貰っていいかな？』

ごめんね、軽く知らないフリさせてもらうよ。
いや、でも下の名前知らないし、クラスしか知らなかったんだよな～

「1年3組の浮所飛貴です。よろしくお願いします」

よし、もう忘れない。
こんな事あったから。

『浮所くんね！よし、覚えた！今度返しに来るように！』

別に、奢ってもいいけど口実作りっていう悪い癖。

「あっはい！返しに行きます！必ず！あの、ありがとうございました！」

『いいえ。じゃあね、浮所くん』

「はい、佐竹先輩」

嬉しそうにドトールを持ってペコッとする浮所くん。
やべ、かっこつけすぎた。

ミックスジュース買おうと思ってたのに気づくと同じものを買っていて、教室に戻る。

「あ、お帰りA。珍しいね、Aが珈琲なんて」

『んーまあね。たまにはいいかなって。聞いて、さっき愛未に聞いた男の子いるじゃん？』

「あー那須くんとやらと仲のいい人？」

『そう！さっきジーハンで会ってさ、思い出したの！浮所くんっていう直樹と幼なじみの子だった』

「よかったね～思い出せて。直樹に掛け合ってもらえばいいじゃん！」

『そういうんじゃないから！って何気づかないうちにチューチューちゃんになってんのよアンタは！』

「あ、これ？さっき直樹が飲み飽きたからあげるって言ったから貰った」

『あ、そう』

愛未とはこれといって二人で恋バナをした事がない。
チーム体育館でするけど、愛未と二人で最後にしたのいつだっけ？って感じ。
後輩の話とか特にさっきみたいなスルーな反応。
関心、持った方がいいと思うのよね。

『直樹』

「ん？何？」

『浮所くんってどんな子？』

まずは、ここから。