背伸びはいらない。 (ページ22)

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『ホントに佐竹先輩好きだよね』

「お前の佐藤先輩の好きぶりだよ。マジで付き合えると思ってなかった」

『我ながら付き合えてめちゃくちゃ驚いてる』

12月、俺と雄登はクリスマスの計画を立てていた。
彼女を喜ばせるために。

雄登は学祭のダンスのペアが大好きな愛未先輩でそこから雄登の猛アピールの末に付き合うことになった。

『雄登、俺さ会ったんだよね。この前のデート中にAちゃんの元カレの梶山先輩って人と』

『その人と会った時に歳下の男と付き合ってて恥ずかしくないの？って』

「うわ、ひど」

『ひっでえだろ！歳食えば1歳差も2歳差も変わんねえっていうのに。実際お前２歳年下の女に手出てたっていうのに！』

「まあそうだよな」

『それに酷いんだよソイツ。アイツさ、男と仲いいから嫉妬耐えないだろ？二股かけてんじゃねえのって』

「かけてたのはお前だろってな」

『うん。俺は、それ聞いて呆れたから行こってその場を立ち去ろうとしたらAちゃんが“恥ずかしくないよ。歳上は背伸びして無理しちゃうから。歳下だと背伸びなんかせずに少し同じ目線で付き合えし、二股なんて私しないし。してるのは朝日くんだよ。飛貴は絶対二股なんてかけない。私は飛貴と付き合えてよかったって思ってる”って』

「あーーーーただの惚気話かよ。聞きたくねえ。愛未ちゃんそんな事絶対言ってくれないもん」

彼女は俺と付き合ってから背伸びしなくていいから自分らしくいられるから好きという。

精神年齢もAちゃんは平均的な女の子に比べても絶対に低い。
佐藤先輩と並ぶと断然子供なんだもん。

『いつかさ、背伸びはいらないって俺らが思える時って来るのかな？俺、背伸びするの。デートの時とかたまに』

「来るよ、きっと。俺らが社会人になった頃1歳差なんて背伸びが要らない年齢になる。同等だよ」

END