背伸びはいらない。 (ページ16)

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Aside

彼の話を聞いて放っておけないと思った。

やはり、傍にいたいと強く思うようになった。

『浮所くん、同じだね』

「先輩と俺のどこが同じなんですか。先輩は浮気なんてされない、逆にする側でしょ」

そんな事、思われてたなんてなんか心外。

そんなに軽い女に見えるの？

『私ね、前に付き合ってた彼氏に浮気されたの。それで別れたんだ』

そういうと浮所くんがビックリした顔で私を見てくる。

「.......でも、自分も浮気とかしたんじゃないですか？」

もう何？この人

『私、そんなに軽い女に見える？』

「だって、俺と仲良くしときながら奏先輩とこの前一緒にいたじゃないですか！付き合ってるんですか？」

え！？嘘！あれ

『この前もしかしてファミレスいたの！？』

「はい。那須と2人で」

やばいとこ見られてしまったな、これは思われても仕方ない。

『私と松井くんは付き合ってないよ。松井くんは私の部活の先輩の夏海先輩と付き合ってる。だから私相談にのってあげてたの。なんか、誤解させたみたいだから』

「はあ！？俺、てっきり先輩は奏先輩と付き合って、俺にも手を出そうとする軽い先輩なのかと..........」

『あのねえ......』

「先輩、俺、好きになんかなりたくないのに先輩の事.............いや、なんでもないです。でも、安心しました。また軽い人好きになりそうだったら俺は女見る目ない病気なのかと」

好きになりそう...........？

それは.........

『浮所くん』

「あっ、ヤバい！俺用事思い出したので帰ります！先輩のお陰で大好きなこの店また入る事出来たんでよかったです！これ、置いときます！」

『ちょっと！』

浮所くんは急いで逃げていった。

用事なんてきっと嘘だ。