泡沫 ２

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スキル「超再生」
他者の傷口の時を戻し、再生させる。ただし死者には使用できず、再生できるのはあくまで傷口であるため、失った血液などは戻らない。
また、その傷の痛みが全てスキル使用者に返ってくる。


ジンの傷がみるみる無くなっていった。


ジンside

俺の静止の声を聞かずにスキルを使ってしまった紫耀。
おかげで話すだけでも痛かった傷の痛みがだんだんと引いていくのが分かった。
このスキルのお世話になるのは2回目だが、未だ慣れずに違和感でしかない。

そして完全に消えたかと思うと、紫耀の顔が微かに歪んだのを俺は見逃さなかった。

「…っ、ど、うだ？？ 痛みは、ない？」

明らかに先ほどとは打って変わって、紫耀の額に汗が浮かんでいる。
当たり前だ、あの激痛が今紫耀を襲っているのだから。
しかし紫耀の頑張りを無駄にはできない。紫耀の変化に気付かないふりをすることにした。

「あぁ、ありがとう。もう何ともないよ。…すぐに魔法陣を止めるから、もうちょっとだけ頑張れるか？」

ほんとは休ませてあげたい。おそらく、もうそろそろ限界突破のスキルも切れるころなはず。
けど無情にも湧き上がってくるモンスターがそれを許してくれない。

「もちろ、ん。魔法陣、たのんだ」

紫耀は剣を支えにして立ち上がると、再び前を捉え、駆けていった。
俺は急いで指先に魔力を込め、地面に書くようにして魔法陣を修正していく。

そして。

突如魔法陣の怪しい光が消え、出現途中だったモンスターが停止した。

俺は急いで出現済みのモンスターと戦闘を続ける紫耀の下に駆け寄り、魔法具で一撃お見舞いし、加勢した。

するとモンスターは絶命したらしい。

「しょう、たぶんすぐにまた魔法陣が復活すると思うから、急ごう」
「りょうかい」

俺と紫耀は急いで魔法陣の外に出ると、来た通路を引き返していった。

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