泡沫 ２

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腹痛がマシになったのか自分で立とうとする紫耀を手洗い台にもたれかかれるように誘導して、岸さんを待ってる間に軽く事情聴取してみる。


「急に痛くなったん？」

「…ちょっと前から、お腹の調子悪くて」

「病院行ったん？」

「いや、時間なかったし、薬飲んでた」


ん〜、時間ないのは仕方ないけど、これはもう病院行きやな。


「ごめんっ！！ お待たせ！ しょう、大丈夫か？！！！」


とか考えてると、慌ただしくドタバタと岸さんが来てくれた。


いつもライブ後とかおんぶしてもらってるのに、岸さんがかがんで背中を向けると、この期に及んで申し訳なさそうな顔をする紫耀。


すると岸さんが


「俺の筋肉に出番をくれよ！！」


とかよくわからんこと言うと、「どういうこと(笑)」と言いながらも乗ってくれた。

よく分からんけど、こういうとこが岸さんらしいよね。




とりあえず部屋に帰り、今日の打ち合わせはお開き。

マネさんに言って、紫耀は病院によって帰ることになった。


「みんな、ごめんね？ 遅れてきたのに、中断させちゃって」


しんどいはずやのに、本当に申し訳なさそうに謝るもんだから


「いいのいいの！ もう割と形にはなってたし！」

「気にしないで、ゆっくり休んで」

「そうだよ、気にすんなって！！」

「そやで、今は休むことが仕事や」



俺たちはそう言って、紫耀を病院へ送り出した。




残った俺たちも、もうこれが最後の仕事だったからマネさんの車に乗り込んで、バイバイした。

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