泡沫 ２

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岸side

廉と一緒に楽屋に戻ると、とりあえず落ち着いたのか、呼吸が元に戻っている紫耀の背中を海人がゆっくり擦っていた。

「しょう、はちみつレモン、飲むか？」

ソファーに座る紫耀の前に座り込み、俯いている紫耀の顔を覗き込む。
顔は青白く、まだ若干はぁはぁと粗い息遣いが聞こえてきた。

しかし、うんと頷いてくれたので、俺は嬉しくなって紫耀の手にペットボトルを握らせた。
すると一口だけだったが飲んでくれた。




海人side



いつも通り、仕事の関係で時間ギリギリに楽屋入りして、いつも通りソファーに座って、いつも通り荷物の整理を始めるのかと思いきや、、、

ソファーに座るや否や、急に息遣いがおかしくなってきた紫耀。

「っはぁ、っはぁ、っはぁ」
「しょう？」
「やばい、しょう、過呼吸起こしてるよ！！」

ジンが気付いて、すでに楽屋でくつろいでライブに備えてた俺と岸くんは慌てて紫耀に駆け寄る。
岸くんは俺と一緒にやってたゲーム機を放り投げてる慌てぶり。



「…わりぃ、もう、大丈夫」

しばらくすると落ち着いたようで、岸くんが買ってきてくれたはちみつレモンをゆっくり飲む。…廉もいつの間にか来てたみたいで、びっくりした。

紫耀の顔色は最悪で、目の下には大きくクマ。
紫耀の忙しさが身体全体に影響を及ぼしていた。そりゃ精神的にもきついよね、過呼吸にもなるよ…。
度重なる映画宣伝や雑誌撮影、24時間テレビのドラマ撮影、打ち合わせ…俺が把握しているだけでも数えだしたらきりがないほどの仕事の量。それに加えて、久しぶりの有観客ライブ。もちろんファンの皆と会えるのは嬉しいけど、それはそれで失敗できない緊張感がある。
責任感の強い紫耀のことだからいっぱい色々考えちゃったのかな…。

「スタッフさんに確認してきたんだけど、やっぱり開演時間の変更は厳しいみたい」

ジンがいつの間にか確認してくれたみたい。ほんとできる男だよ…。

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