おいで、恋愛しようか『LIP×LIP短編集』

ジェラシータイムアウト『愛蔵』 ページ32

「あはははっ.....もおー愛蔵ったらぁー」


「でな、そのとき.....」









...........




どうだろうかあれ？



この世にカップルは相手の前で異性とキャッキャウフフしちゃいけないなんて法律ないよ？このご時世にそんなのないよ？







まあ......あいつには必要だと思うなあぁぁぁぁ？



毎日毎日どうしてこんなに嫉妬をしなくてはならない？





アイドルの彼女はこんなに大変なんですか？








「.......はぁ」



きっと私今凄い顔なのだろうな


教科書で隠したよ









今愛蔵が話しているのは隣の席の子



しかも授業中だぜ不良共め






くそう、私だって愛蔵の隣の席になって先生の目を盗んで秘密のお話したかったよ！


そんでもってわざと教科書忘れたフリして机ごっつんこしたかったよ！





「それで、続きは？」



「大変だったんだよ...それが..」








「こら、そこ！煩いよ！」




あ、見つかった



そんな反応をした2人は暫く顔を見せ合うとクスクスと笑い始めた







「......！」



何でそんなに楽しそうなの....？



もう、見たくない





ｶﾞﾀ




「先生.....ちょっと頭痛いんで保健室行ってきてもいいですか？」




立ち上がると皆が私に釘付けになる


「ええ勿論だけど、大丈夫？誰か着いていってもらう？」



「いえ、大丈夫です」









遅い足取りでドアに向かってドアを開けると授業を再開した教室を少し見る


愛蔵は私なんて気にせずに隣の子と喋っていた。楽しそうに








「(......何よ、誰のせいだと...)」


いいや待て、そんなの私のエゴだ。愛蔵は関係ないでしょ



踵を返して保健室に向かう




ーーーーーーーーーーーーーー


「あれ.....先生居ない....」



もうサボったからにはここで寝ていようか


ベッドに寝転がって目を閉じる









......



今頃2人は楽しくお話してるのか.....



いいなあ......







愛蔵の彼女になって、嫉妬が物凄く増えた。所有欲、というのだろうか









........汚い。自分が汚すぎる



愛蔵は私だけの人じゃないのに情けない....こんな重い女嫌われちゃうよ



留め具が外れたようにホロホロと落ちる涙を誰か来たとき見られたくなくて






うつ伏せになって必死に止めようとするけど鼻水とか、嗚咽まで出てきていよいよ止められなくなる







「っ.....っ....」






愛蔵の馬鹿


もう絶対目合わせてやらないんだから





息があんまり吸えなくていよいよ苦しくなってきたとき、肩を叩かれた






「......っ！？」



「よーお、大丈夫か？」

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