おいで、恋愛しようか『LIP×LIP短編集』

結婚生活視聴率『勇次郎』 ページ19

バッグに必要最低限の物だけを入れて。いかにも相手を不愉快にさせる内容の手紙をそえておく





ー数分前ー



夜の7時




突然鳴ったスマホの画面を開いてみると夫の勇次郎からのLINEが入っていた




......その内容を見て思わずスマホをお釈迦にしようとしたのを覚えている





見てくれ、内容を公開しようと思う



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今日、仕事で共演した人と飲みに行くことになった。遅くなる



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※訳「ご飯いらない」



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いかがだろうか？




新婚したての奥さんに向かってドライアイス並みに冷たいこのLINE






私は見たことがない









.









と、いうことで




もう家出しようと思う。うん、私は怒った




冒頭の準備はこの為さ









ふと目に止まったもう必要のない夕食




それらをゴミ箱に突っ込んだ









貴「.......ｯ...グス........」









勇次郎は人気アイドルだから忙しいのは分かる




でも、私は数日間彼の顔を見ていないくらい会っていないのだ







浮気かなとか、私のこと好きじゃないのかなとか、何度考えたのか分からない









お皿をキッチンに置いて結婚指輪を置く







バッグを抱えると一歩を踏み出した









その瞬間









.









ガチャ........









っっっっっえ！？！？！？





思わず玄関を二度見した





勇「ただいまー」









時計を見るとあれから一時間数分後



どうやら準備やら色々なことで時間がかかりすぎてしまったようで.....




玄関からリビングに繋がる廊下を歩いてくる彼









.....非常にまずい。隠れねば



本能が余りにも警鐘を鳴らすので私は音を立てないようにバッグを持って寝室のクローゼットに隠れて息を潜める









少し隙間を開けて彼の様子を伺った









..........家出って......こんなこと起こるのか.........

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