今日もあなたに伝えます。6 (ページ34)

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210 紫耀side ページ34

平野先生「…やっと居たよ」

A「…先生、」

平野先生「はぁ…」

知らない街をずっと探し続けて
ずっと走っていたから
息があがった。

Aが居ないのに気づいた
班が、こっちを見て

なんでいるのー？
見回りー？

なんて次から次へと言葉がとんでくるけど
今はそれどころじゃない。

平野先生「ごめん、A借りるね！」

A「え？ちょっと！」

そう言い捨てて
Aの手を取り
走った。

とにかく今は人が少ない所まで…
そう思いながら、噴水がある人が少ない所まで来た

A「はぁっはぁ…先生、」

平野先生「はぁはぁ、…疲れた…」

A「…どうしたの？」

平野先生「…お前に言いたい事があってさ」

A「え…？」

息を整えて、Aとベンチにすわった
ちゃんと伝えなきゃ。

平野先生「お前、朝嫉妬してたんだろ？」

A「…」

平野先生「ちゃんと言わないとわからないよ。なんでもいい、怒っててもいいんだよ。言ってくれないと…嫌でも距離ができていってしまうだろ。」

A「…そうだね、」

平野先生「ワガママでも俺嬉しいよ？…」

A「…嫌だったの。あんなに綺麗で魅力的な女性で…先生同士なら二人で歩いててもおかしくないでしょ？」

そう言って
眉を下げながらAは笑った。

平野先生「…おかしいよ。」

A「え？」

平野先生「俺の隣はAじゃないと…」

A「…」

平野先生「お前じゃないとダメなんだよ」

A「…先生、」

A以外居ないよ。
俺と釣り合う人なんて…
白石先生と歩いてたら普通におかしい。
だって俺にはAでしよ？

この関係になんの名前もなくても
俺はお前以外考えられないよ。

平野先生「…もうそんな顔しないで」

A「…ごめんね、」

俯く、Aを抱きしめて
やっぱり俺はAじゃないと
ダメなんだと改めて気づいた。

これからこの先同じことで
すれ違ったりすると思うけど

Aが逃げていっても
俺はお前を守るよ。

ずっと笑っていていて欲しいから。