第三百六十八訓 ページ27
『ぐぐぐ……ッ、』
私は今…いや今度は、インターホンと睨めっこをしている。
皆分かるだろうが、真選組にはもう渡したという事でお次は勿論万事屋。睨めっこしてるのも勿論万事屋のインターホン。
かなり緊張する……いやだって銀時君とは一対一な訳だし…
(……神楽ちゃんたちが居る事に期待しよう)
ハァ、と溜め息をつきインターホンを押した。
______ピンポーン……、
すると。
「ンだよババア、家賃ならねーぞォ…」
と、いつも通りの銀時君の声が。
……え雑用係の新八君が出ないって事は新八君いないの?と悶々と思考を巡らせるが、扉は容赦なく開かれてしまった。
___ガラッ、
銀時「…あ?A?神楽と新八ならいねーぞー」
二人とも居ないのかよ!?
ヤバイ緊張してきた一対一なんて無理だよどうしよう、
銀時「オーイ聞いてんのー?」
『ッ、』
銀時「?」
いやトシと総悟には渡せたしなんとかなる!!
『ぎん、ときく、その、』
上ずった声になりながらも後ろ手に持ったチョコを握りしめた。
銀時「?ンだよ。えらくモジモジしてっけど……お前らしくねーな、どしたァ?」
『ッ、ぁのっ』
いける私いけるゥゥゥ!!!
一時のテンションでいけェェェ!!!
『こ、れ、』
銀時「………え」
私がチョコを目の前に出すと、銀時君はピシリと硬直した。
『日頃のお礼?みたいな…今日バレンタインだし……いや断じて恋愛感情がある訳ではないからね勘違いしないで!?ちがっツンデレでもないから!マジで!』
顔がカァッ、と赤くなっていくのを感じる。
(くそぅ、何で私がこんな思いしないといけないんだよォォォ!!)
銀時「………え、マジ?」
『ぅ、うん……マジ』
銀時「え、やば……銀さん嬉しい」
チラリと見ると、銀時君は顔を真っ赤にして口元を手で押さえていた。初めて見る……彼の本気で嬉しがってる、照れた表情。
どうやら本当に喜んでくれているらしく……ちょっと嬉しいな、なんて。
(……悪くないかも、)
ハッピーバレンタイン!ってとこかな?
銀時「なァ、チョコと一緒にお前を食うとかは」
『無しに決まってるだろう』
銀時「チッ」
……やっぱり銀時君は銀時君のままだったわ。
ー
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きょ - いやん❤️センシティブ❤️ (1月17日 20時) (レス) @page5 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - めっちゃ好きです……。今一気読みしている途中なんですが、ここの章を何回も読んでしまいますw 夢主ちゃんが神楽ちゃんを攻めて、赤くなっちゃう神楽ちゃんとそれに嫉妬する沖田君たちが見たい…!!もちろん書けとは言いません!応援してます!! (2023年2月26日 19時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
mia - 作者様神っす!ヤァバイ最初のイチャイチャが…(鼻血)これからも応援させて頂きます!!👍 (2021年10月3日 20時) (レス) @page4 id: 220694a240 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫 - 神楽ちゃんのハーフツインテが見たいーーーー‼️ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 639c61a784 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫 - 仲いいナお前ら↓ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 639c61a784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年1月27日 22時