百八二 ページ32
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「最初から知ってたんだ。信長が天下統一出来ないこと、本能寺で自害することも。
全部知ってた、信行が裏切るのも、今川に勝つのも、そして俺は変えた。信行は生きた、それで少しだけ未来を変えた、信長が百地に殺されそうになったのもそのせいだと思う。
でも、悪いのは信長だからな？勿論、帰蝶として育てられた俺が信長に嫁がなきゃいけないのも史実通りで、そうして信長は生駒吉乃を愛するはずだったんだよ。
…馬鹿だよな信長って。うつけ、おおうつけだよ。かわいげもない男好きになって可哀想に、……愛してるよ」
珍しく信長は呆然とした表情で俺の言葉を聞き続ける。なんか、ベラベラ喋って恥ずかしくなってきたな、これも全部信長のせいだ。
「吉乃にすればよかったのに、吉乃だったらきっとしっかりしてて信長を見届けられるんだよ。でも俺はさ」
「煩い。もう俺の妻を侮辱するな」
「……俺はさ、我儘だから信長の死を利用する。史実通り信長は本能寺で自害する。でも、
遺体は見つかってねえの。だから」
信長は目を見張った。頭が切れる信長、直ぐに俺がどうするかを分かったんだ。
俺は信長と落ち延びる。
絶対に見つからなければいいんだ。別人として生きる。
「逃げよう、二人で。本当にこれからはただ俺だけを守ってくれよ、」
「………」
信長は押し黙り、蘭丸の方へと視線を巡らせば、蘭丸は信長の刀を差し出し、穏やかな表情で見つめる。自分はここに残ります、と伝えるように。
光秀は目の前にいる本来討つべき者達が逃げるのを口も出さず、刀も鞘に収め俺と信長の行く末を見届けている。信長は蘭丸の持つ刀を受け取り、俺の方へ向き直った。
「行くぞ、A」
信長は光秀にも蘭丸にも言葉を掛けることはなく、俺と本能寺を抜け出した。二人で煤で汚れた身体で走り続け、喉から鉛のような味がしてくる頃には夜明けが待っていた。周りには動物の気配も人の気配もしない。やっと、信長は川の近くで立ち止まり、気が抜けたように木にもたれて座った。ふと肩が血みどろになっているのに気付いてハッとした、矢が刺さっていたところだ。
「信長、上脱げ」
「なんだ、…盛ったか？」
「冗談言ってる場合じゃねえだろ馬鹿」
ぐっ、と信長の着物をはだけさせて、血は止まりかけているが、止血と傷口を洗わないといけない。
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momosui(プロフ) - これで4週も読み返してしまいました(笑)ほんっっとに最高です！！！続編、楽しみにしてます！(*^^*) (2023年3月23日 19時) (
レス) @page37 id: d7576d8f53 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - シウさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます😭 歴史好きな方に読んで頂けて嬉しいです…実はこそっと完結してました笑 続編もよろしくお願い致します！ (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - ルンバさん» 最後まで読んで頂きありがとうございました！中々更新が不定期でしたのでお待たせしてしまいました…本当にギャグだったはずなんですけどね…！時代が時代なので仕方なすびと心に言い聞かせ続けて書きました笑 続編近日公開予定です！またよろしくお願いします！ (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 町谷。さん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！私も少し寂しいですよ〜戦国時代オタクなので笑 続編公開近日中に決まりました！是非またよろしくお願いします😌 (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - Lu__A09さん» 最後まで読んで頂きありがとうございます！そんなに経っていたんですよ…続編はちょこっと辛抱かもしれませんが、また完結目指して頑張ります！続編そろそろ公開予定です！ (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛之助（元大手裏剣）
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2020年8月16日 18時
