百七三 ページ23
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戦というのは全て殺し合いという訳では無い。戦が始まったとして、合戦は夜になれば大体両軍退く。その場合、負傷した敵軍がこちら側に人質となることがある。
が、特に特別なことはなく、両軍のその兵は停戦している間に交換、言わば兵を返す。
そして、Aが置かれた状況は人質という立場である。あのとき、百地丹波の殺意はAに向いたのではなく、初めからずっと信長に向いていた。だから、百地丹波はAを殺さずに気絶させた。
「これはどういうつもりだ」
Aが目を覚ました時には、伊賀にあるどの城かは定かではないが、その中で、武装していたはずなのに鎧は無く、代わりに姫という称号に相応しい装いになっていた。
「なに、そうしたほうが面白いだろう」
手を持ち上げて、重ね着された着物の重さに気怠さを感じる。何を言っているんだ、と俺は百地丹波に怪訝な視線を向ける。奴は鼻で笑うと、戸を開いた。
戦の声が聞こえる。信雄のことだ、恐らく信長には俺が蒲生を退避させるために殿を務めたこともそのまま人質になったことも報告しないだろう。
俺が居ない方が都合はいいからな。男の嫉妬は怖いものだ。
「何をすればいいんだ」
「当然ながら、我らは貴様らに敗北する。それでは、面白くない。
ならば賭けに出る。今度こそは信長を殺す。
貴様はその当て馬に使う」
「懲りないな」
執念深さに呆れて、ため息を吐いてそう言った。すると、百地丹波は喉を鳴らして笑い出した。気でも触れたか、と見上げれば、何故か恍惚とした表情でいた。確か気を失う前は信長に対して憤りというのか殺意を感じていたはずなのだが。
「気付いた。
ここまで私の血が昂るのは信長しかいない。
あぁ…私を見て、憎み心底もがき苦しむ姿をこの目におさめたい」
百地丹波の歪んだ笑みを見て、これも一種の愛か、と悟る。偏愛、だ。現実を見ていない。
だが、分からぬわけでもない。
俺の事だけを見て欲しい、そう思うこともあった。勿論、口になんてしなかった、彼奴が【織田信長】だったから。
「そうか」
そうして、百地丹波の言葉になんの反論もすることなく、それを実行することに対してAは肯定した。
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覚えてますか、
百地丹波の読み方
ももちたんばですよ、可愛いなまえだねぇ()
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momosui(プロフ) - これで4週も読み返してしまいました(笑)ほんっっとに最高です！！！続編、楽しみにしてます！(*^^*) (2023年3月23日 19時) (
レス) @page37 id: d7576d8f53 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - シウさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます😭 歴史好きな方に読んで頂けて嬉しいです…実はこそっと完結してました笑 続編もよろしくお願い致します！ (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - ルンバさん» 最後まで読んで頂きありがとうございました！中々更新が不定期でしたのでお待たせしてしまいました…本当にギャグだったはずなんですけどね…！時代が時代なので仕方なすびと心に言い聞かせ続けて書きました笑 続編近日公開予定です！またよろしくお願いします！ (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 町谷。さん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！私も少し寂しいですよ〜戦国時代オタクなので笑 続編公開近日中に決まりました！是非またよろしくお願いします😌 (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - Lu__A09さん» 最後まで読んで頂きありがとうございます！そんなに経っていたんですよ…続編はちょこっと辛抱かもしれませんが、また完結目指して頑張ります！続編そろそろ公開予定です！ (2023年1月26日 2時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛之助（元大手裏剣）
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時：2020年8月16日 18時
