Notes【短編集】

あと少し：天月 ページ34

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　あと学校に来るのは何回だったかな。片手で足りる数しかもう来ない。

　あとは卒業式のリハーサルと卒業式本番くらい。別に好きじゃなかった制服だってもう着ないと思ったら寂しい気がしてくる。現金だなぁ。

　「あ、Aじゃん。」

　「天月。やっほー、久しぶり。」

　クラスメイトの天月。ひらひらと手を振る。天月はなんで学校にいるんだろ。もう大学決まってるから用事はないはずだけど。

　「久々ー。大学の話？」

　「そ、合格決まったから先生に連絡しに。天月は？」

　「おめでと。俺は部活のことで後輩と話してた。」


　お疲れ、と声をかけて方向も一緒だし、と一緒に駅に向かう。この道だってもう歩かなくなるんだなって考えたら寂しいね。コンビニ行ったなとかこのお店よく行ったなとか思い出が出てくる。

　「卒業って考えたら寂しいねぇ。」

　「んー、確かに。この辺卒業したら来なくなるしね。」

　対して都会でもなくどちらかと言うと田舎にある私たちの学校の近くへなんて卒業してしまえば来ない。

　「Aともこうやって会ったりしなくなるね。」

　「確かに。住んでるとこ近いわけでもないしね。寂しい？」

　半ば冗談のつもりで言った言葉を天月が同意してくるから面食らってしまう。…何それ素直にうんって言うと思ってないんだけど。

　「…そ、っか。」

　「Aは？寂しい？」

　「…まあ、寂しいかな。」

　「じゃあさ、大学生になってもこうやって会おうよ。Aのこと見てて飽きないし。」



　数か月後の約束。

対象外：そらる→←腹痛の予定：まふまふ

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